最盛期を迎えた兵庫・明石のマダコ釣りを楽しもうと先日、明石浦の「丸松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で二見沖へ出た。朝イチから底をたたいてタコを誘うと小、中型(100グラム以下はリリース)が入れ掛かり。竿頭は超軽量タックル(330グラム)でタコアタリを次々にとらえ正午すぎまでに0・3~1・2キロを63匹も釣り上げた。今年は群れが大きく、ビギナーや女性でも数釣りが体験できる。おいしい明石のブランドタコを狙ってみてはいかがですか。

先調子の超軽量タックル(330グラム)がすごかった! 「タコ釣りを始めて数年ですが、この竿とリールを使いだしてから数が釣れるようになりました」。竿頭の籔根武夫さん(大阪市)が声を弾ませる。一般的な船竿を使う記者はタコが乗った感触がわからずにアタリを見逃してばかり。籔根さんは記者の3倍のスピードで釣っていく。あまりの釣果の差にたまらず籔根さんに竿を借りるとマダコが一発で針掛かり。まるで、手の一部のようでアタリがすごくわかりやすい。持ち重り感がまったくなく、マダコの反応がダイレクトに手元に伝わる。目からウロコな使い心地にびっくりした。

へ先では、船からのタコエギ釣りの先駆者で数多くの専用ロッドを手掛けるタコ釣り名人・和田勝也さんが目と手の感度でマダコアタリを次々にとらえ1・5キロの良型もゲット。「専用ロッドならタコがエギを触りにきた感触までわかりますよ」と自信をみせる。

籔根さんの仕掛けは黄色のエギと今季の当たりルアー(白いワーム)。これをチョイ投げし、底をたたいて2秒ほど止める(タコにエギを抱かせるタイミング)ことを繰り返し、1・2キロまでを合計で63匹もゲット。「弘法筆を選ばず」ということわざがあるが、ビギナーは専用タックルを使うべしを思い知らされた。

釣ってよし、食べてよしの明石ダコは女子にも人気が高い。この日も2人の美女が大はしゃぎ。三村明子さん(大阪市)は「竿に重みが乗った瞬間、ドキドキですよ。食べてもすごくおいしくてはまっています」と800グラムをゲット。

折田久美さん(同)も「エギの色や形をいろいろ替えてヒットパターンを探すのが楽しい。きょうはエギにワームを付けたものによく乗ってきます」と700グラムを手に笑顔をみせる。

盛期のタコ釣りはもう1匹、あと1匹と匹数を伸ばしたくなるもの。ほかの人も、緑や黄色など、思い思いのエギや飾りで明石ダコに猛烈アピールすると小、中型がコンスタントに乗ってきて、時折、キロ超えを取り込む人も。少ない人で20匹、多い人で50匹以上釣り上げ、満足したところで正午すぎに沖をあとにした。【近江康輔】

【今後の見通し】今年は群れが大きく小、中型の数釣りがしばらく続きそうだ。2キロ超が船中で数匹まじり、時には3~4キロの超大型も釣れる。産卵が終われば、9月以降も再び狙える。

【問い合わせ】丸松乗合船【電話】090・6981・4620。マダコの乗合船料金は大人(高校生以上)7000円、小・中学生6000円。午前5時に集合。少し西の林崎漁港には、小松乗合船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】078・923・8711がある。

【交通】JR山陽本線・明石駅下車、タクシーで約5分(同駅まで送迎あり、要予約)。車は第2神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。和坂の信号を左折し同2号へ。明石大橋を渡り、すぐの信号を右折。明石浦漁協前を右折。約200メートルで左手に丸松乗合船の受付事務所がある。