とにかく今夏の東京湾は勢いがある。タチウオ、マダコ、アジの食いが止まらず、海上は釣り船の姿でいっぱいだった。「もうお盆も過ぎたけど大丈夫?」。まだまだ、終わりませんよ。興味のあるみなさん、8月のうちに繰り出してみませんか? 電車でいけちゃう東京湾の「令和元年三種の神器」を紹介します。

★マダコ・八景「太田屋」

京浜急行線の金沢八景駅で降りる。改修工事が終わって、シーサイドラインの駅が改札からすぐ。シーサイドラインで1区間の野島公園駅で下車してもいいけれど、船宿に電話をすれば迎えに来てくれる。

昨年までは、手で渋糸を直接握って誘うテンヤバリの釣りが主流だったが、今夏はサオを使うタコエギがほとんど。タコエギを2つ垂らすパターンが多くなってきて、大型を取り逃がすことも少なくなった。さらに、ザリガニワームをセットする「デビルクラッカー」のファンも増えてきた。

マダコは依然として数はいる。しかも、大型が南下して、まさに、八景沖の水深10~17メートルに集結しているようなイメージだ。初心者でも底さえ感じることができれば釣れてしまう。チャンスですよ、チャンス。【電話】045・782・4657。

★タチウオ・新安浦「長谷川丸」

京浜急行線に揺られて堀ノ内駅で降りる。駅構内には、列車の接近メロディーの渡辺真知子「かもめが翔(と)んだ日」が流れる。駅のホームからすでに気持ちは東京湾に飛んでいく。

船宿に電話をすれば送迎してくれるけど、散歩がてら歩いていくのも一興。横須賀海辺釣り公園のすぐ横が新安浦港で市場も隣接しているので分かりやすい。歩いて12分。乗船前の準備運動にちょうどいいかも。

暑くなって、タチウオのタナ(泳層)は、海面から20~50メートルと浅い。しかも、魚体の幅もこの2カ月で太くなっている。エサでもルアーでも、アクションで止めたりすると、道糸にマークされている白い印を魚と勘違いして、切られてしまうこともある。ゆっくりでもいいので、動かしながら誘ってみよう。【電話】090・6021・5919。

★アジ・根岸「つり孝」

JR京浜東北線の根岸駅を降りて磯子方面にテクテク。堀割川にかかる八幡橋の手前で上流方面に進路変更。しばらくいくと「つり孝」の看板が見えてくる。

船が川に係留されているからすぐに分かりますよ。根岸駅からは約7分。ゆっくり歩いても10分前後でしょう。途中でコンビニもあるので、飲料、おにぎりやサンドイッチを購入できちゃう。

今、釣れているアジはもう本当に真沖。八幡橋がとっても低い橋なので、船のキャビンが沈んでくぐっていく。めったに見られない光景なので、撮影しておいてね。なかなか“映え”ますから。

そのすぐ近くで釣れるアジが大きい。仕掛け全長は2メートルのものを用意しましょう。で、気をつけてほしいのは、天ビンにつなぐスナップ。クルクル回転するスイベル付きがベスト。大きなアジは自分で回転して、逃げようとするので、スナップだけではバレちゃうんすね。【電話】045・751・3671。