埼玉・円良田(つぶらた)湖は初心者でも安心してサオを出せる桟橋中心の釣り場です。「ヘラブナ道場」3期生の岩野忍さん(43)の長男悠(はるか)君(10)が、初めてヘラ釣りで次々にヒットさせました。「おとうさん、またやろうね」という悠君が、絵日記にしてくれました。

8月19日、朝の5時。空が白んでくるころ、円良田湖の管理事務所の明かりがついた。岩野さんと長男悠君も事務所前に到着した。

「いわのはるかです。今日はヘラ1枚を釣ることが目標です」と、釣りの経験はあるが、緊張気味にあいさつ。お父さんの教えか、ヘラを「匹」ではなく「枚」と数えるこだわりをみせた。

小5で「イラスト漫画クラブ」に所属している。岩野さんは悠君について「興味があるものは時間を忘れて没頭する性格。でも、興味のないものは全く手をつけない」と話した。

この日、悠君を大関コーチが指導した。

大関 子どもは最初が肝心。ヘラ釣りはむずかしい。でも、魚が掛かったら、鋭い引き味を味わえる。ここが大事なんです。

エサづくりも簡単。「パウダーベイト ヘラ」を使う。あとは水だけだ。

悠君 なんかね、粘土みたい。しかも、とってもいい香りがする。ヘラ釣り、楽しいなぁ。

大関コーチは、ウキがちょっと潜ったら、サオを大きく振り上げて合わせるよう指導した。

悠君はウキから目を離さず、見つめたまま。大きくサオを振り上げると、サオがギューンとしなった。湖面でバシャ。頬を真っ赤にさせて興奮している。

悠君 やったぁ~、釣れた。お父さんと前にサビキのアジ釣りに行ったけどさ、魚の引きのパワーが全然違うよ。ヘラ釣り、チョー楽しい。もっと釣ろう、もっと。

スイッチの入った悠君はなんと13匹。

大関 いろいろとやらないといけないことは、今後、興味を持ってから覚えればいい。まずは、このヘラの引きの強さに驚いてもらいたかった。うん、成功ですね。

岩野さんも「これで家庭内にヘラ釣りに理解を示してくれる味方ができた。近いうちに行かないとね、ヘラ釣りに」と手放しで喜び、悠君の頭をグリグリとなで回した。【寺沢卓】

▼問い合わせ 円良田湖管理事務所【電話】048・581・8511。