「第11回オーナーカップグレ金勝杯 四国大会」(主催・(株)オーナーばり)が8日、徳島・阿南市の伊島周辺の磯で行われ、90人が参加し、25センチ以上のグレ3匹までの総重量を競った。午前7時から午後1時まで熱戦が繰り広げられ「水島の東」に渡礁した西内優智選手(高知市)が、得意の遠投で34~45センチを3匹(2880グラム)そろえ、昨年2位の雪辱を果たし見事、初優勝した。2位は2780グラムで高橋良明選手(鳴門市)、3位には2620グラムの野口智崇選手(南あわじ市)が入った。【中村和嗣】

「昨年、2位で悔しい思いをしたので優勝できてうれしいです」。西内選手が表彰台のてっぺんで喜びをかみしめながら優勝カップを高々と掲げた。西内選手がグレ釣りを始めたのは15年前。その5年後には全国大会に出場するも、森井陽氏(オーナーばりインストラクター)に大敗し、森井氏の素早くて正確なグレ釣りに魅了されて弟子入りした。それ以来、師匠の指導を受けながら技術を磨き、7年前から金勝杯に参戦。今回、強風で釣りづらい状況だったが、師匠の教え通り、仕掛けがなじむ一時に手返しよく釣ることを心掛けて勝利を呼び込んだ。

上がった磯は水島の東の南向き。潮が西へ流れ、同方向へ横風が吹きつける中、0号のウキにG5のオモリ(ウキ止めストッパーの下80センチ)をセットし、ウキを沈めながら挑戦。オキアミを餌に2・5ヒロのタナ(針は身軽グレ5号)で始めるが、竿と道糸が強風にあおられ、思うように仕掛けがなじまずに苦戦した。

それでも、午前10時ごろ、潮が右斜め沖へ向きを変えると状況が好転。時合とばかりに針をケン付きの「遠投ハヤテ」6号に替え、得意の遠投で30メートルほど沖の潮目を狙った。すると、仕掛けがなじみ、ウキがじわーと沈む本命アタリをとらえ45センチがヒット。続けて風が弱まるタイミングに狙いを定めて奮闘。サラシの払い出しに道糸を沈め、仕掛けを張りながら沖の潮目を攻め、午後1時の競技終了までに30~45センチを5匹キープ。2位の高橋選手に100グラムの差をつけ昨年のうっぷんを晴らした。

師匠の森井氏から「優勝おめでとう」という祝福の言葉が贈られると胸が熱くなって感激。「技術面はまだまだ師匠には遠く及ばないので少しでも近づけるように頑張ります。集中力を切らさず1投1投丁寧な釣りを心掛けていきたい。次は誰も成し遂げていない金勝杯の連覇を狙います」と力強く話した。

◆西内優智(にしうち・まさとし)1984年(昭59)6月15日生まれ、35歳。高知市在住。会社員。グレ釣り歴15年。所属クラブはR-freak、ホームは宇和島の磯。