早春の渓流釣りを楽しもうと和歌山・日高川の龍神地区へ13日、出掛けた。当日は引き水の好条件で、気温の上昇とともにアマゴの活性が上がり、ツツーンと目印を引き込むアタリが連発。小川と小森谷を釣り歩き、13~21センチを37匹釣り上げた。アマゴが川虫をたっぷり捕食しているようで、どの魚もコンディションは良好。これからの盛期が楽しみになる釣行だった。【日刊FPC・下田成人】

午前7時すぎ、大熊上流の小川に到着。小森谷との出合橋から約1・1キロ上流に入った。2日前に雨が降り、水位がやや高めで、濁りはなく、条件はばっちり。初期は流れが比較的緩いポイントの底流れを狙う。まずは針上20センチにG3の仁丹オモリを打った仕掛けをセットした。

川虫(キンパク)の餌を瀬脇に投入し、手前の筋から探っていく。オモリが底石に当たる振動が手元に伝わると目印が表層の流れよりもゆっくり流れだす。これが底流れをとらえたサイン。そして石横を抜けヨレに入ると目印がフッと止まるアタリがきた。

少しラインを送ってから合わせると水中がキラッと光り、竿に重みが乗る。魚体をくねらせる小気味良い引きを楽しみながらタモに飛ばしたのはブルーのパーマークと朱点が鮮やかな18センチの美形アマゴだった。

その後も、筋を変えながら流すとツツーンと竿に響くアタリが続き、15~16センチのヒレピンを3匹追加。どれも良く肥えており、増水で流されてきた川虫をたっぷり食べている感じ。さらに釣り上がると段々に落ちる深瀬に出た。頭上に木が覆いかぶさり、仕掛けを振り込みにくいが、大石が沈んでいる最高のポイントだ。

枝に注意しながらサイドスローで白泡脇の反転流に仕掛けを投入。ラインを送って底流れをとらえると目印がスーッと引き込まれた。横合わせを入れ、枝をかわしながら引き抜いたのはポッテリした21センチ。してやったりの1匹だった。

早朝は霜が降り、冷え込んだが、午前10時ごろから谷間に日差しが届きだすと春の陽気に。水温も上昇し魚の活性が上がっただろうと狙いを瀬にしぼって釣っていく。流れと流れが交わるところや、掘れ込みなど変化があって流れが緩いポイントを選び、オモリを替えながら流すとアタリが連発。どんどん釣り上がり、午前11時半までに13~21センチを29匹キープした。

午後からは小森谷へ。ここでも、アマゴが瀬に出ていると予想し、小川の合流から約250メートル上流の早瀬で竿をだすと狙いが的中。石裏のヨレ、川底のかけ上がりなどで活発にエサを追ってくれ14~19センチを8匹追加。満足したところで午後2時前に渓をあとにした。

【今後の見通し】今は各支流の上流部で魚影が濃く安定して釣れている。これからは一雨ごとに魚が動き、気温の上昇とともに本流も面白くなる。また、稚鮎の放流が始まれば、それを追う尺アマゴも期待できる。ルアー(小型ミノー)で狙うと面白い。

【問い合わせ】松阪食堂(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0739・79・0259。年券は5500円、日券は2200円。生イクラ、川虫(要予約)販売。同食堂の松阪正澄さんは現地の情報に詳しい。

【交通】阪和道有田ICを有田・金屋方面に出て、信号を左折。県道22号、国道424、425、371号を経由し龍神温泉へ。温泉トンネルを抜け、少し走ると右側に同食堂がある。