産卵期で脂が乗ったヒラメを狙おうと鳥羽・石鏡漁港の「三幸丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で18日、同沖へ出た。午前9時半ごろから生きたイワシを餌にした泳がせ釣りで挑戦。潮の流れが鈍くて条件はイマイチだったが、思い思いの誘いや工夫で食いを引き出し、竿頭で35~59センチを3匹仕留めた。記者もなんとか47センチをゲット。今が旬の高級魚だけに1匹でもかなりうれしかった。石鏡沖はヒラメの魚影が非常に濃いところ。条件のいい日に大きな群れをとらえれば2桁釣果が期待できる。【中村和嗣】

ヒラメは釣り人にとってあこがれのターゲットの1つ。それだけにアタリが出るまでの期待感がかなり大きい。食ってくれよとドキドキしながら竿先を見つめている時間がたまらない。

ヒラメのアタリが出だしたのは底潮が流れだした正午すぎ。狙ったポイントは水深38メートルで底は岩礁交じりの砂地が広がる。胴突き1本バリ仕掛け(孫バリ付き)に生きたイワシを口掛けにし、底から1メートルほど引き上げてアタリを待つ。

最初に竿を曲げたのは初のヒラメ釣りにやってきた右舷前方の西昭弘さん(大阪市)。「ガツガツと食ってきました」と40センチを手に大喜び。次は左隣の西原剛さん(神戸市)で50センチをゲット。「ヒラメは落ちてくるものに敏感なので、赤や白のカラーシンカーで落とし込みを繰り返したら食ってきました」と話す。

広範囲のヒラメに餌を気づかせることが大事なようだ。船尾の砂原功政さん(神戸市)は「食い込みがいいように10センチほどの小さなイワシを1投ごとに付け替えたのが良かったみたい」と40、45センチをイケスにキープ。

それならと記者もシンカーを白に交換。イワシも小ぶりなものを使うと午後1時半ごろ、待望のアタリをとらえた。だが姿をみせたのは胴長40センチのアオリイカ。さらに70センチのニベもヒット。本命ではなかったがおいしい獲物ににんまり。

石鏡沖はベイトフィッシュが多く、ヒラメのほかにもハタ類や青ものなど、多彩なフィッシュイーターが釣れる。そして午後2時すぎ、底から1メートル上で丹念に竿を上下する船尾の樋口仁さん(鈴鹿市)が当日最大の59センチを取り込みえびす顔。「潮の動きが鈍いときは食い込みも悪いので、早合わせは禁物。じっくり食わせてから引き上げたのが正解でした」と、肉厚の良型を手に声を弾ませる。

記者も竿を大きく振り上げては下げる誘いを繰り返すと午後3時ごろ、ガツガツと本命アタリをキャッチ。じっくり待ってから合わせを決め、47センチを仕留めた。だが、その後は底潮が止まってしまい、追加はなく午後5時すぎに納竿。この日は潮の動きだしが遅く釣果が伸びなかったが、攻め続けた末の価値ある1匹に満足し沖をあとにした。

【今後の見通し】今シーズンは40~50センチのヒラメが中心だが、数がよく釣れており、魚影は濃い。釣行の前日には名古屋の西脇さんが39~55センチを8匹も釣っている。潮さえ動けばヒラメの活性が上がり、食いが上向くと思われる。釣期は5月初旬まで。

【問い合わせ】三幸丸【電話】0599・32・5604。乗合船料金は半日便1万2000円、1日便1万5000円(餌、氷付き)。出船は午前便が午前6時ごろ、午後便は午後0時半ごろ。1日便は午前9時出船、午後5時納竿(出船時間は相談可)。素泊まり3000円。ほかにも、「幸徳丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・7303・5080がある。