新型コロナウイルス感染拡大防止のために、おうちで勉強しよう! アユの友釣りに続く第2弾は近年、人気が非常に高まっているイカメタル&オモリグです。この釣り方は、1年を通していろんな筒イカが狙えますが、これからは身が甘くて刺し身が絶品のケンサキイカが釣れ出します。まさに釣って良し、食べて良しの好ターゲット。ビギナーでも簡単に釣れるので、釣り方をイメージトレーニングしてチャレンジしてみてください。【近江康輔】

竿先がとても繊細な細身のルアーロッドでケンサキイカを掛けると最高に面白い。胴長が30センチを超えるものはかなりの締め込みで、グーングーングーンと何度も竿を絞り込む。そんなケンサキの元気な引きを体験すると誰もが、イカ釣りのとりこになってしまう。

ひと昔前は10メートル以上もある胴突き仕掛けが定番だったが、近年はイカメタルというシンプルな仕掛けが人気を呼んでいる。一番下にオモリ代わりの鉛スッテをセットし、枝スに浮きスッテやエギを付けるだけの手軽さが、ビギナーや女性アングラーにも受けている。

胴突き仕掛けはスッテの数が多い分、連掛けで数を伸ばせるが、とりまわしが難しくて、若者には敬遠されがちでした。一方、イカメタルは胴突き仕掛けほど数は釣れないが、1匹1匹ヒットパターンを追求していくところに面白さがあります。よく釣れるスッテやエギのカラー、アクション、タナが天候や潮などによってころころと変わるので、状況の変化に応じたヒットパターンを見つけ出して匹数を伸ばしたときには喜びもひとしおです

そして、もうひとつの魅力はなんといっても、身のうまさです。刺し身はもちろんのこと、釣ったその場でイカを甘辛いタレに入れて持ち帰る沖漬けは釣り人の特権です。後述にイカメタルとオモリグを解説します。ビギナーでも、簡単に楽しめる釣り方なので、ぜひ、この2つをマスターしていさり火の夏イカ釣りを楽しんでみてください。毎年、夏の夜が待ち切れなくなりますよ。

積極的な誘いをかけて釣るイカメタルは、イカの活性が上がってきたタイミングで使うのがお薦め。船の集魚灯がともされて1時間ぐらいするとバタバタと竿が曲がり出すので、ヒットしたタナを聞き、そこへイカメタルをダイレクトに落とします。次にしゃくり上げるか、大きく引き上げたあと、竿先にテンションをかけたまま落とし込むテンションフォールでアタリを待ちます。イカがスッテを抱けば、ロッドの重みが抜ける感触が伝わるので、すかさず合わせてください。もうひとつはリールのスプールを軽く押さえてゆっくりと仕掛けを落とし、フォール中にイカを抱かせてしまう方法です。これはイカが上層に浮いてきたときに有効で、手返しが早くなり匹数を伸ばすことができます。ぜひ試してください。また、イカの反応が渋いときはシェイク(竿先を小刻みに動かす)をしたあとに長めの止めを入れるといいでしょう。なんらかの変化が竿先に出たらそれがアタリです。

長めの枝スをとるオモリグはエギの稼働域が大きいので、より自然にイカを誘うことができます。こちらは日暮れ前でイカが底べったりにいる場合や、潮の流れが速かったり、水深が深くてイカメタルでは釣りづらいときに効果を発揮します。狙いのタナまでリグを落とし、3回ほどしゃくり上げては止めてアタリを待ちます。オモリグはテンションが抜けるような食い上げのアタリは出ません。なので、竿先を引き込む大小のアタリをすべて掛け合わせてください。集魚灯がともされ、イカのタナが上がってくるとオモリを軽くして明暗部に投げ込み、カーブフォールで誘ってみるのも効果的です。大型はこの釣り方でヒットすることが多いです。

◆スッテ、エギの色 シルエット系(形状が影になって見える)の赤緑と、水中で光る赤白が基本になります。釣行日の月の明るさや潮の色などによってどちらの乗りがいいのかを探ってください。ほかにも同系の色違いや夜光タイプなどをそろえておくと、イカがスレたときに効果が期待できます。サイズは浮きスッテ、エギともに2~2.5号がお薦め。鉛スッテは15~20号を基本に25号まであると十分です。それ以上に重いものを使うときには、オモリグ(オモリ35号まで)で対応するといいでしょう。

◆タナ選び ケンサキイカは遊泳するタナがころころと変わります。集魚灯がともされるまでは浮いてこないので底付近を探ってください。日が暮れ、集魚灯がともされると、その光に小魚が集まり、それを求めてイカも徐々に浮いてくるので、少しずつタナを上げていってください。このとき、周りの人がヒットしたタナも参考にしながら釣るといいでしょう。イカ釣りはタナ、スッテのヒットカラーなどを情報交換しながら釣るチームプレーが大事です。乗合船でほかの人と話しづらいという方は周りの釣れ具合をよく観察し、ヒットしてから取り込むまでの時間を把握すれば、だいたいのタナがわかります。

◆イカの保存方法 釣ったイカは直接、氷に当てないようにしてクーラーで保存してください。直接当てると身が白くなってしまいます。ザルや熱伝導に優れたアルミケースが販売されていますので、その中に入れて持ち帰ると色素細胞が活発に動いたままの新鮮なイカが食べられます。