旬を迎えたマイカを狙おうと先日、兵庫・豊岡の「豊裕丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で津居山沖へ出た。夕方からポツリポツリと釣れ、イカが上層に浮くとイカメタルで入れ掛かり。活性が下がればオモリグのロングステイで数を伸ばし、午後11時までに竿頭で25~30センチを35匹釣り上げた。これからお盆にかけてイカの活性がさらに上がり、最盛期を迎える。

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マイカは集魚灯の光りに誘われ、浅ダナに浮いてくるタイミングを逃さずに釣ることが大事だ。上層のイカは活性が高く、手返しも早くなって数が伸びる。午後8時40分ごろ、左舷の山本尚志さん(神戸市)が、サンマの切り身をハリガネでエギにまいた、オモリグで怒涛(どとう)の入れ掛かりを始めた。

「テンションをかけてゆっくり落としていると水深20メートルでアタリが連発し始めました。いまが、チャンスですよ。竿先がふーっと上がる食い上げアタリで乗ってきます。なんぼでも釣れますわ」とにんまり。

ほかの人も水深20メートルを集中的に釣っていくとアタリが連発。右舷の夏目諭吉さん(宝塚市)は「活性が高い上層のイカを狙うときはイカメタルが効くんです。3回しゃくったあとのテンションフォールでよう当たる。30匹は釣るで」と1投ごとに竿を曲げる。

その隣では2回目のイカメタル釣りにきたビギナーの皿谷康夫さん(加古川市)が絶好調。40センチの大型を釣り上げたほか、時折、ダブルもあり、笑顔で数を伸ばす。「でかいやつはグーングーンとよう引いた。イカメタルめっちゃ面白いな。完全にはまってしまったよ」と意気揚々。

その後も1時間半ほど、釣れっぱなしだったが、そうそううまくはいかないのがマイカ釣り。イカが浅ダナに浮いてこなかった前半と活性が落ちた後半はオモリグのロングステイで拾い釣り。

そんな中、目を引いたのは夏目さん。明暗部に仕掛けを投げ込み、カーブフォールでイカを引きつけたあと、30秒~1分ほど竿先を止める釣り方がベストマッチ。竿先がクックーと小さく揺れるアタリを掛け合わせ、コンスタントに釣っていく。結局、夏目さんが竿頭で25~30センチを35匹ゲット。「きょうは面白かった。仕掛けの使い分けが、ばっちりはまったよ」と満足顔で納竿。水温が上がり小、中型が浅いタナに浮いてくるこれからの時期は数釣りの絶好機。しばらくはマイカから目が離せない。【近江康輔】

【問い合わせ】豊裕丸【電話】090・3057・6599。イカメタルの乗合船料金は1万円。午後6時に出船、納竿は同11時半。

【交通】北近畿豊岡自動車道の日高神鍋高原ICを出て、城崎温泉方面へ。同温泉を通過し、港大橋を渡り、円山川の右岸へ。気比の浜の裏側に豊裕丸が停泊する港がある。