この夏も絶好調の東京湾タチウオ。あるウワサが出回っている。「テンヤだとドラゴン(大きいタチウオ)ばかりみたいだ」。オモリとハリを合体させた和製漁具に頭を落としたイワシを装着して誘う釣法がテンヤだ。そこで、大魔神こと佐々木主浩さん(52=本紙野球評論家)がテンヤでの刀狩りに挑戦した。今回は大魔神はテンヤのスペシャルスタッフを味方につけて、謎のユーチューバー「ささぴ~」との3匹重量対決をすることになってしまった…えっ、誰、ささぴ~?

「そりゃ、ビックリしたよ。だっておっさんなんだもん」と、集合場所の千葉寒川港「小峯丸」で大魔神はちょっとだけ不機嫌だった。

大魔神 ささぴ~、っていうからカワイイ女の子だと思ったらおっさんなんだもん。えっ、44歳? オレより8学年下じゃないか!

最後はちょっとプンプンしていた。

きっかけは、タコボウズ(寺沢です)が面白おかしく釣りをリポートする「タコボウズ寺沢チャンネル」。タチウオのエサ釣りで奮闘する大魔神を動画に収めた。その回でささぴ~という人物から投稿があった。どうやらささぴ~の名字は佐々木らしい。

そうだ、じゃ何の脈絡もないけれど「佐々木頂上決戦」としよう。大魔神が興味を持っているタチウオのテンヤ釣りで上位3匹の重量勝負をやってしまおう。ささぴ~にメールを投げたら「えっ、本当にいいんですか? 大魔神佐々木さんと釣りできるなら、何でもやります。すげぇ~対決できるぞー」と勝手に盛り上がっていた。

ただ、佐々木姓の頂上決戦としたものの、内容はほしいところだ。そこで、エサの総合商社「マルキユー」のイワシと、タチウオのテンヤを独自開発する「ヤマリア」のスタッフを3人ずつ計6人を大魔神の“知恵袋”とした。

タチウオのテンヤは、関西地区で発祥した。オモリとハリが一体化したテンヤバリにイワシの胴体だけを刺して細い針金でぐるぐる巻きにする。見た目にはイワシのサイボーグのようだ。テンヤ釣りではドラゴンと称される大型のタチウオばかりが掛かる、という都市伝説のような話も東京湾に広がってきている。

イワシはエサとして優秀なのだが、非常に身がやわらかい。すぐにボロボロになる。新商品「ギュッとイワシ」を開発したマルキユー阿辺仁さんは「ある液体につけ込んで、身を締めました。しかも従来商品よりもイワシも大きくした。これは釣れますよ」と自信ありげな表情をみせた。

そしてヤマリアの開発スタッフは大阪出身の櫻井亮太さん、東京湾でドラゴンハンターとも呼ばれる山中陽介さんの2トップが乗船してくれた。2人が持ち込んだのは「猛追太刀魚テンヤ」との名称のタチウオ特製テンヤ。

櫻井さん タチウオの食い次第で頭の3つの輪っかを使い分ける。通常では真ん中でいい。活性が高ければ、1番前の穴に通して立たせる。食いが渋ければ後ろの穴に通す。海中での角度が違ってくるんです。

実釣前に内容の濃い講習会だった。

大魔神 もうね、釣れる気しかしない。ささぴ~に負けねぇよ。

対するささぴ~も口では負けていない。

ささぴ~ タチウオのテンヤ専用サオを買ってしまいました…昨日。本気で勝負します。

冗談から企画した“佐々木決戦”だったが、小峯丸の船上はバチバチと火花が散り始めてきた。

確かにテンヤだと幅広の大きなタチウオしかヒットしない。船中ではマルキユー由比俊一さんの2・17キロが最大だった。基本指4本以下はいなかった。ヤマリア山中さんからは「じっくりタチウオにテンヤを見させる。デッドスローやストップ&ゴーを織り交ぜて食い気を誘ってください」とのアドバイスも飛んだ。

ささぴ~は順調に釣ってペースをつかんだかにみえた。ところがゆっくりした誘いのコツをつかんだ大魔神が良型を連発させ、残り30分で1・5キロ超を釣り上げた。

大魔神 これならいいだろう。3匹合計では負けたかもしれないが、この1匹で満足できた。

帰港して計量すると、ささぴ~は<1075グラム、1125グラム、1485グラム>で計3685グラムだった。一方の大魔神は<815グラム、915グラム、1565グラム>で3295グラムだった。大魔神、追い上げたものの390グラム差で涙をのんだ。

大魔神 松本アナとも因縁の対決だけど、ささぴ~とはまた対決したいね。テンヤのタチ、こりゃ面白いね。また、来るよ。

勝負を終えた千葉寒川港では、けたたましいほどのミンミンゼミの大合唱が地鳴りのように響いていた。

▼千葉寒川「小峯丸」【電話】043・222・6557。タチウオの乗合船は午前5時30分に千葉寒川港に集合、同6時に出船、午後2時ごろ沖あがり。基本料金は9500円で、テンヤの場合はイワシ1パック500円、エサ釣りはコノシロかサバ切り身を使い放題で500円、ルアーの場合は基本料金だけ。千葉寒川港はJR京葉線の千葉みなと駅と蘇我駅のちょうど中間の付近。要電話予約。