海産アユがベストシーズンに突入した! 和歌山・有田川の二川ダム下流へ5日、友釣りに出掛けた。粟生地区の久保田おとり店(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の下に入ると前日の雨で水が動き、野アユの活性がすこぶる高く、入れ掛かり。瀬は止め釣り、トロ場はオトリを操作しながらのサイトフィッシングで午後4時すぎまでに13~18・5センチを83匹追わせた。海産アユがいたるところで縄張りを持ちだしており、魚体は真っ黄色で追い気満々。数釣り本番へ向けて手応え十分の釣行だった。

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連日の猛暑でアユの土用隠れが続いていたが、雨で水温が下がり、ようやく海産アユの追い気にスイッチが入った。午前8時半ごろ、粟生地区の久保田おとり店下に入川した。前日の雨で水位は10センチ高で濁りなし。

まずは、メタルラインの仕掛けで瀬落ちの開きから探っていく。石裏の波立ちにオトリを送り込み、張らず緩めずのラインテンションで追いを待つと、すぐにククッ、ギュイ~ンと目印が走った。タモに飛ばしたのは、追い星がくっきり出た15センチの海産アユだった。

素早くオトリを交換。ゆっくり引き上げるとガガッ、ビュイーンと同サイズが入れ掛かり。その後も30センチほど引き上げては止めると面白いように追ってきて1時間半ほどで13~16センチを18匹キープ。次は大小さまざまな石が入ったトロ場を攻めていく。雨が降るまでは、あまりアユが見えていなかったが、水が動き、野アユが浅場に出てきたようでいたるところでギラッギラッとコケをはんでいる。

今度は仕掛けをフロロカーボンに交換。泳がせ釣りで探るが、オトリの泳ぐスピードが速すぎるのか、掛からない。水中の様子をじっくり観察すると、追ってはいるが、アユが多すぎて縄張りが狭く、追う距離が短いようだ。それならとサイトフィッシングで縄張りアユをダイレクトに狙う。

追っているアユの後ろからオトリをゆっくり泳がせ、縄張りに入るとラインにテンションをかけて止め、少し持ち上げて誘う。すると、ギラッと光り、掛かりアユが一気に上流へ。取り込んだのは、3重に追い星が出た18・5センチ。

だが、追いアユがたくさん見えるところでオトリを止めようとすると野アユの激しいアタックを受け、オトリが上流へ逃げてしまう。そこで、オトリの鼻先を持ち上げ、流れに乗せて反転させ、何度もオトリを縄張りに入れ直す。このスパイラル釣法がはまり、正午までに真っ黄色な15~17センチを27匹追加した。

その後は昼食をとり、午後からも同釣法で数を伸ばしていくが、途中でどしゃ降りの雨に遭い、濁りも出てきたためにペースダウン。雷が鳴りだした午後4時すぎに強制終了となった。目標の3桁釣りは達成できなかったが、結局13~18・5センチを83匹ゲット。大満足で川を後にした。【日刊FPC・下田成人】

【今後の見通し】台風の影響で増水したが、大きな石や岩盤にはアカが残っていると思われる。水位が下がれば、入れ掛かりになりそうだ。岩倉発電所から下流では数、型ともに期待できるだろう。ダム放水もあるので、現地に水況確認をしてから釣行していただきたい。例年、10月末まで友釣りが楽しめる。

【問い合わせ】久保田おとり店【電話】0737・22・0364、有田川漁協(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】同・52・4863。

【交通】阪和自動車道の有田ICを有田、金屋方面へ出て、信号を左折。県道22号、国道424、480号を経由し、清水、花園方面へ。岩倉発電所を過ぎ、少し走ると右側に久保田おとり店がある。