秋の深まりとともに大阪湾沿岸に青物の群れが連日のように回遊している。メジロを狙おうと4日、兵庫・武庫川尻へ釣行した。「久保渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で新波止(フェニックス)へ渡り、生きたウグイを餌にしたのませ釣りで挑戦。朝から北西の向かい風に苦戦したが、潮が下げに変わった納竿間際に状況が一変。沖へ向かって潮が流れ始めると68、65センチのメジロが立て続けにヒット。息をつく暇もない一進一退のスリリングなファイトを楽しんだ。

午前6時すぎ、新波止へ渡り、北西向きの角の先端に入った。さっそく仕掛けをセット。ウグイを背掛けにした仕掛けを前方へ投入した。しかし、北寄りの強い風に加えて沖からの潮が思った以上に速く、青物が回遊していそうな40~50メートル沖の潮目へ仕掛けを運ぶことが出来ない。仕方なく、手前で様子をみるが、まったく青物の気配がない。

餌のウグイが弱ると生きのいいものに交換しながら辛抱強くアタリを待つ。餌が残りわずかとなり、今日はあかんかと諦めムードが漂い始めた午前11時ごろ、潮が下げに変わると向かい風に逆らって沖方向へ流れ出した。

すると6号負荷のウキが30、40メートルと沖へ流れ、道糸がパラパラッと水面を滑るように引き出されていく。これなら釣れそうだとドキドキでアタリを待つ。小さくなっていくウキのトップを見失わないよう追いかけて行くと70~80メートル沖で突然、ウキがズバーッと勢いよく海中へ引き込まれた。

よっしゃ、きたーとばかりにガン、ガン、ガーンと合わせを送り、取り込みにかかるが、一気に走られ、ジーッジーッジーッとドラグ音が響く。竿を強引に起こしてはラインを巻き取り、走られてはラインを送る一進一退のやりとりで足元まで引き寄せ、ランディング体勢に。波止際での突っ込みを落ち着いてかわし、68センチのメジロをタモに収めた。

チャンスとばかりにすぐに魚をしめて次を狙うと入れ掛かり。直前のやり取りで青物の活性にスイッチが入ったのか、20メートルほど沖へ仕掛けを投入し、餌が泳ぎ始めると同時にウキが一瞬にして視界から消えた。

合わせると、同クラスの手応え。先ほどのやり取りで息が整っていないところに強烈な青物の引きが容赦なく竿を絞り込む。ドラグを調整し青物との力比べを繰り返し、無事に仕留めたのは65センチのメジロだった。結局、この日は生きエサを使い果たした正午ごろに納竿。餌さえあればまだまだ、釣れそうな気配だっただけに後ろ髪を引かれる思いで釣り場を後にした。【日刊FPC・兵頭良弘】

【問い合わせ】久保渡船【電話】06・6416・0807。渡船料は大人2400円、高校生2000円、中学生1600円、小学生1200円、女性2200円。出船は午前5時、最終の迎え午後8時=季節により変動。餌、仕掛け常備。マスク、救命胴衣の着用が必要。

【交通】阪神電鉄の武庫川駅下車、国道43号の下をくぐり南へ進むと左側に同渡船。車は大阪から国道43号を西へ。武庫川の手前を左折。南下すると同渡船。

【今後の見通し】沖一文字、新波止ともにサワラ、ハマチ、メジロがコンスタントに狙える。年内は水温も安定しており、生き餌を使ったのませ釣り、ミノーやメタルジグを使ったキャスティングで楽しめる。時折、80センチを超えるブリもヒットするのでワンランク上のタックルがお勧め。また、チヌの活性も高まってくるので、フカセ釣りを中心に良、大型が期待できる。