攻めの釣りでロクマルのイシダイを追い続ける釣りクラブ・石影会の会長・南貴博さんの勢いが止まらない。「僕にとって60センチ以下はイシダイではないです」。かなり強気なコメントだが、南さんの実績からすると納得のいく発言だった。

ホームは南紀・出雲崎の磯。20年2月8日に双子の親で67、69センチ、3月15日に武八で64・4センチ、4月11日に武八で65・5センチ、8月8日に沖の赤島で60・5センチ、11月10日に沖の赤島で69・3センチ、11月23日に武八で67・6センチ、12月20日に沖の赤島で65・5センチ、21年1月5日に武八で60・1センチ、62・8センチ、1月15日に武八で64・1センチを釣っている。餌はすべてサザエだった。

南さんの必釣法はイシダイ釣りの名手・橋本陽一郎さん直伝の南方宙釣りと呼ばれるもの。関西のイシダイ釣りは底狙いが一般的だが「イシダイは底を回遊し、沈み根に当たると中層へ浮き上がって餌を捕食する習性があるのでこの釣り方が最適なんです。底を回遊しているときは餌を捕食することが少ないので」と話す。

出雲では足元の水深が18メートルほどある磯で水深8~10メートルを狙っている。ウニ殻のまき餌(1回15キロ)を打ち込んだあとは、ピトンに竿を置いて、イシダイの回遊を待つだけ。竿先がモゾモゾする前アタリをとらえると竿を手持ちにし、誘い上げたり、落とし込んだりすることでイシダイに餌を食わせ、走らせることで針掛かりに持ち込むという。

イシダイ釣りの魅力はなんといっても豪快な締め込み。「60センチを超えると引きが半端ないですよ」と声を弾ませる。ロクマルが狙える条件は水温のみ。「18~21度が適温で5月初旬まで狙えます。目標は年間20匹のロクマルを釣り上げること。そのうち1匹はナナマルを仕留めたいですね」と釣果アップに鼻息が荒かった。

問い合わせは、小川渡船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0735・62・0743。