釣って面白く、脂が乗ってうまい厳寒期のカマスを狙おうと先日、紀東・紀伊長島の名倉湾へ出掛けた。同所の「石倉渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)のレンタル船外機ボートで消波ブロック前に入り、ジグヘッドリグやウキ釣りで挑戦。風が強くてポイントに船をつけづらく合わせ損ないも多かったが、石倉渡船のハウツー動画のおかげでなんとか30~40センチを11匹ゲット。昨年よりはヒット率を上げることができた。だが、まだまだ未熟者。来年はさらに秘策を考えて臨みたい。

カマス釣りは簡単そうに思えるのだが、なかなか針掛かりさせられないところが釣り人を意地にさせる。記者もその1人で前回はなんと1匹だけ。今回は石倉一徳船長がカマス釣りをレクチャーしている動画を何度もみてからのリベンジ。今度こそはと意気込んで消波ブロック前のポイントに入った。まずはサンマの切り身をジグヘッドのフックに縫い刺しにし、底まで落とし込む。そして動画通りカマスの群れの上(底から3メートル上)へジグを引き上げて待つ。すると、すぐにコツコツコツとアタリがきた。

「掛かるのか? 空振り?」と昨年の嫌な記憶が脳裏によみがえるが、動画通りにゆっくり竿を持ち上げきき合わせると、なんと一発で針掛かり。取り込んだのは握り応えのある40センチ級の見事なカマスだった。

これなら、入れ掛かりかもと期待したのだが、その後は5回連続で空振り。遅合わせ、即掛けも試すが、合わせのタイミングがなかなかつかめずに四苦八苦。カマスはカワハギよりも餌取り名人なのか? まさか今年も1匹だけ?

それならと船長直伝のカーブフォールを試す。真下にジグを落とし左、右上へと竿を引き上げてから、ジグを落とすとポツリポツリと掛かりだし4匹追加した。カマスの後方から頭へと落ちるように餌を見せると食いがよくなるみたい。

次は餌をキビナゴに交換。同様に落とすと竿先のテンションが抜ける食い上げが続き、30~40センチが4連発。当日はキビナゴが当たり餌だったようで意気揚々。エサのローテーションも大事だなと痛感した。

最後はウキ釣りも試すが、ウキが勢いよく沈んでも、空振りすることが多くて30、35センチを追加したところで納竿。結局、30~40センチを11匹釣り上げた。今回も納得のいく釣りはできなかったが、そんなターゲットこそ、釣り人を夢中にさせる。みなさんも空振りを体験してみてください。なんでこんな明確なアタリで掛からないのかと腹が立つが、どうにかして釣り上げたくてのめり込みますよ。目指すはカマス漁師。次回は20匹釣ってやるぞと沖をあとにした。【近江康輔】

【今後の見通し】取材後、かなり食い渋っているが例年、2月末まで狙える。ビギナーは比較的釣りやすい11~12月がお薦め。石倉渡船のホームページにあるハウツー動画を参考にしてください。また、船舶免許がない方は手こぎボートもある。手こぎボートのほうがカマスを刺激せず、アンカーも打ち込みやすいので釣果が伸びるかもしれない。

【問い合わせ】石倉渡船【電話】0597・47・0712。レンタルボート料金は手こぎ4000円、船外機ボート1万1000円(4人乗り、9・9馬力)~2万4000円(14人乗り、40馬力)まで15種類。別途保険料が必要で手こぎ1人200円、船外機付き1人500円。

【交通】新名神高速道路または西名阪自動車道から伊勢自動車道へ。勢和多気JCTから紀勢自動車道に入り紀伊長島ICを出て左折。国道42号で大内山方面へ。片上南の信号を右折。孫太郎トンネルを抜けてすぐの信号を右折。約500メートル進むと左側が渡船場。