肝しょうゆで食べる刺し身がやみつきになる良、大型のカワハギが好調に釣れている和歌山・日ノ岬沖へ6日、湯浅栖原の乗合船「かるも丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。沖は波も風もなく、最高の釣り日和だったが、潮の動きはいまいち。それでも、ベテランたちは、たるませ釣りや、底はわせ釣りなど、ソフトなアプローチで良型をコンスタントにゲット。竿頭で午後2時すぎまでに20~27センチを19匹釣り上げた。数、型ともに狙うなら今がチャンスですよ。

小さな口で上手にエサをかすめ取るカワハギ。いかにしてその日の条件にマッチした釣り方を見つけだし、微妙なアタリをかけ合わせられるかどうかで釣果に差が出る。そんなゲーム性の高さが人気のようで「最近、初心者の人が多いんですよ」と船長がうれしそうに話す。

午前7時半ごろ、日ノ岬沖に到着。緩い下り潮が流れる中、水深40メートルのポイントに入った。さっそく、アサリのむき身をエサに思い思いの釣り方でカワハギの反応を探っていく。

2時間ほどすると、ようやくカワハギの活性が上がり、初めてカワハギ釣りにきた船尾の石坂健師さん(大阪市)にも良型がヒット。「肝しょうゆの刺し身が食べたくて釣りにきました。微妙なアタリを合わせ、フッキングした瞬間がたまらないですね」と25センチの肝をパンパンに大きくした1匹を手ににっこり。カワハギ釣りにすっかりはまってしまった様子だ。

記者も幸先よく28センチをゲット。船長の指示通りに底をトントンとたたいたあと、止めて待つと竿先をもっていくほどの明確なアタリでヒットした。あまりにも簡単に釣れてしまいおもしろみがないが、狙っていた大型に思わずにんまり。

そんな中、ベテランたちはカワハギのヒットパターンを見つけだして快釣。魚の反応がわかりやすい超軽量タックルを使う船首の尾羽根健三さん(堺市)は仕掛けを底にはわせてポツリポツリと25センチ前後をゲット。まるで手釣りをしているようにカワハギの微妙なアタリを的確にとらえ、納竿間際には28センチを仕留めた。

中でも、目を引いたのは中オモリで仕掛けをたるませたり、底に仕掛けをはわせる釣り方を併用する同左の門脇幸成さん(富田林市)。食いが止まった時間帯でも、ただ1人、コンスタントに良型を釣り続けた。

数釣りのコツを聞くと「こまめにポイントを変えて群れの位置やタナを把握することが大事。他の人が竿を止めて休んでいるときも、餌を動かしてアピールし、船の中で自分の餌を一番目立たせることが大事なんです」と教えてくれた。

この日のヒットパターンはソフトなアプローチ。シェイクや、たたきなどの激しい誘いよりも、底付近でじっくり誘いと止めを繰り返した人が釣果を伸ばした。竿頭は門脇さんで、肝パンまじりの20~27センチを19匹。船中で2桁釣果が4人。最長寸は記者と尾羽根さんが仕留めた28センチだった。久しぶりに肝しょうゆの刺し身を食べたが、たまらなくおいしかった。【中村和嗣】

【今後の見通し】カワハギは例年に比べて大型が多く、年明けから尺超えが数匹釣れている。適度に潮が動き、水温が安定していれば匹数も伸び、日ノ岬、白崎沖で期待できる。30センチ以上を釣れば無料乗船券(カワハギ釣り限定)がプレゼントされる。釣期は5月初旬まで。

【問い合わせ】かるも丸【電話】0737・62・3527。乗合船料金1万1000円(氷付き)。エサ1パック500円。港に午前5時半集合。同6時ごろ出船(要確認)。

【交通】電車はJR紀勢本線の湯浅駅下車。タクシーで約5分。車は阪和自動車道の有田ICを出て国道42号を南下。湯浅交差点の信号を右折。北橋を右折(かるも丸看板あり)道なりで栖原港へ。

<佐藤友則船頭の必釣アドバイス>カワハギ釣りは、餌をしっかり付けることが大事。アサリの身は水管からベロに針を通し、カワハギが好むワタへ抜くのが基本。これを怠ると針掛かりしません。エサにあら塩をふってぬめりをとり、鮮度を保つと針に刺しやすい。釣り方の基本はオモリを底に落とし、竿を大きく上下して誘ったあと、底から3メートルの間で仕掛けを止めてアタリを待つ。この繰り返し。あとは仕掛けをこまめに交換し、針先の鋭さをキープすることも忘れずに。このとき、掛け針が上を向くように注意してください。