和歌山・有田川で渓流釣りが特別解禁になった20日、二川ダム上流の支流・湯川川へ数釣りを楽しもうと出掛けた。早朝から上湯川地区にある足谷橋のたもとの山道から入渓。段々瀬や、大小の淵、えん堤の深みなどを釣り歩き、正午前までに15~21センチを39匹キープした。リリースサイズ(14センチ以下)が多かったものの、餌追いは活発で春本番へ向け、期待が膨らむ釣行だった。まとまった雨が降り、水位が上がれば面白くなりそうだ。

辺りが明るくなりだした午前6時前、上湯川地区の足谷橋のたもとから入渓した。解禁日は川釣り師にとってお祭りだ。ワクワクしながら竿を伸ばし、まずは小さな淵から探っていく。

生イクラをハリに3粒刺し、瀬落ちの流れ込みに仕掛けを投入。流していくと淵尻のかけ上がりで目印がフッと止まった。合わせると竿にグンと重みが乗る。タモに飛ばしたのは、鮮やかな朱点を散りばめた15センチのきれいなアマゴだった。

続けて仕掛けを流すと今度はキュンと目印が引き込まれる。だが、掛かったのは12センチのリリースサイズ。その後も小型が続き、16センチのキープサイズを1匹追加したところで次の3段瀬へ。瀬脇の緩やかな流れに餌を入れるとツンツン。小さなアタリがきて18センチのヒレピンがハリ掛かり。続けて同型を2匹ゲット。釣り進み、今度は深トロへ。

ここは流れ込みに大岩があり、流れが2つに分かれ、足元が本流になる。本流脇に餌を入れ、ゆっくり流すと目印が止まり、スーッと水中へ。クネクネと魚体をくねらせる引きを楽しませてくれたのは精かんな顔つきをした21センチだった。

その後も、水深に合わせてG5~G2のオモリを使い分けながら流すと入れ掛かり。しかし、リリースサイズが多くて四苦八苦。釣り分けはできないのでとにかく釣り続け、15~19センチを7匹追加した。

次の浅場では、アマゴの警戒心が非常に強く、人の気配を感じるとシューッと石の中に隠れてしまう。そのため、気配を消してポイントに近づき、身をかがめて瀬の落ち込みの白泡や、流れの合流点、掘れ込みなどを狙い、3時間ほどで15~21センチを27匹食わせた。

仕上げは上流に車を走らせ、京都大学フィールド科学教育研究センターから500メートルほど下流へ入った。ここでは木が倒れていたり、頭上に木があり、仕掛けを投入しづらいポイントで16~19センチを7匹追加。そして気温が上がった午前11時前、大きなえん堤でアマゴがライズをしているのを発見。すかさずオモリを外し、チャンスとばかりに目印を水面に漂わせて流すと目印がシューと水中へ。このパターンがはまり、20センチ級を5連発で食わせ満足したところで納竿とした。【日刊FPC・下田成人】

【今後の見通し】室川や四村川など、支流の魚影が濃い。良型の多くはまだ、岩穴でじっとしている感じ。水温が上がり、雨が降れば活性が上がると思われる。解禁当初の餌は生イクラが良いが、水が動けば川虫がお薦め。少し濁りがあればミミズも有効だ。新緑のころにはブドウ虫も効果がある。時期や水況などで当たり餌が変わるので、いろいろ試してほしい。

【交通】阪和道の有田ICを有田、金屋方面へ出て信号を左折。県道22号、国道424号、同480号を経由し、清水方面へ。三田トンネルを抜け、1分ほど走り、信号を右折。清水橋を渡り、県道19号で上湯川へ。

【問い合わせ】有田川漁協(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0737・52・4863。森谷おとり店(同加盟店)【電話】同・26・0005。入漁券は年券5500円、日券3300円。