山梨・西湖のヒメマスとワカサギ釣りがラストチャンスだ。その日によって遊泳層(タナ)が変わるヒメマスは、最大6本まで出せるサオを駆使して表層から底まで幅広く探る。大きな群れのいる場所を探り当てることができれば、制限の30匹も夢ではない。ワカサギは底付近にいる。丹念に誘って、多点掛けで100匹以上の束釣りを目指そう。春の解禁シーズンは5月31日まで。「白根」(渡辺安司店主=63)からボートを出して、ぽかぽか陽気の湖上でおかずを調達してみよう。

「ワカサギは10~15年ぶりの豊漁」と渡辺店主は言う。ちょうど1年前、コロナ禍で釣りは中止された。漁場を寝かせたのが幸いして、魚影が濃くなったからだ。白根前や物見堂、東電ポンプ前などで100匹超えの束釣りはもちろん、型も10センチ超のシシャモ級が釣れてくる。

ヒメと違い、「ワカ様」の基本はベタ底。オモリでトントンと底を小突き、サオをゆっくり上下させて誘う。大きな群れに当たれば、5本針にパーフェクトという光景も見られる。入れ食いになったら、針の本数を減らして手返しを良くしたり、カラバリで投入してもいい。

逆に、食いが渋ければ、エサの紅サシを半分に切る。相模原市の三田諒子さんや、丸山宗久さん(48=藤沢市)は「針掛かりが浅かったので、バラシが多かった針を2号から3号に替えた」と話す。野口智広さん(48=神奈川県寒川町)は「藻がよく引っ掛かったので、オモリのすぐ上から垂れ下がった底針を切った」など、それぞれ工夫を凝らしていた。

中には山下哲央さん(49=東京都あきる野市)のようにヒメ用に4本、ワカサギで2本のサオを出して「二刀流」で、ヒメ7匹とワカサギ40匹という釣果を得た人もいる。楽しみ方はいろいろだ。

◆白根【電話】090・4917・4480。受け付け午前4時から。出舟午前5時、岸着午後5時。ヒメマスは制限匹数30匹。コマセ禁止、サオは1人6本まで。仕掛け1枚400円。手こぎボート1日1人3000円(2人乗り同4000円)。日釣り券は男性1700円、女性と中学生850円、小学生以下無料。http://www.himetoro.com/