駿河湾マダイダービーが16日に終幕し、静岡・久料「魚磯丸」(久保田清船長=76)からエントリーし、91人参加の頂点にたった村仲聖人さん(56)がこのほど、日刊スポーツの取材に応じた。

同ダービーは3月13日に開幕。3匹の総重量で競われ、期間中の入れ替えが可能だ。トップ10中7人が10キロオーバーだったが、13キロ超は村仲さんただ1人だった。

初優勝を「ビックリしています」と振り返った。「1位になったのが4月末だったので、それから2週間くらいがしんどかった。周りからのプレッシャーがきつくて」。村仲さんは5・52キロと4・88キロを4月17日に釣り上げた。同29日に2・82キロを釣り上げると首位に立った。「前日の追い上げがすごくて、もういても立ってもいられず、最終日に行ったけどゼロ。まるっ切りやられました」。実際、最終日には清水亨さん(44)が7・6キロを釣り上げ、69位から一気に7位へと躍り出た。

過去に5回参加していたが、昨年は不参加。一昨年は「1キロくらいを1、2匹釣っただけだったので60~70位をウロウロしていた。だから優勝したことに本人が一番ビックリしているし、1日に大きいのが2匹も釣れて、周りも驚いていました」。

4月17日は、先に4・88キロを上げた。その日は「食いが立っていた」という。「12メートルの2本針でやっていたけど、自分の感覚では大きいのは上にいるという感覚があって、上針をちょっと上げた。針間はだいたい2メートルくらいでやっているけど、その時は3メートルの仕掛けを作っていたので、それに変えたらガツンと食った。狙い通りに釣れて、それはうれしかった」と喜ぶ一方で、「でも5・52キロは下針だった」と苦笑した。

「本当にたまたまですよ」と恐縮しながら、「釣りは、楽しくやれればいいというのがある。仕掛けもビーズとかいろいろつけて小細工するよりも、最終的には外したシンプルな仕掛けが釣れるし、船長のいうことを聞いて欲をかかないのが一番釣れる」と笑った。「魚磯丸はみんないい人ばかりで、楽しくできる。しょせんは大自然の中のちっぽけな人間の遊びですから、楽しくやるのが一番です」と達観していた。

優勝者を輩出した久保田船長は「今年はノッコミが遅くて、4月の半ばくらいから始まった感じ。それから数も出た」と振り返った。「後半になって大きいのも出てくれて盛り上がってくれた。数も船中70匹もあったし、竿頭で15匹とかもあって例年並み。後半10日間は結構競ってきて、盛り上がったと思う」と話した。