体高がある海産アユを求めて和歌山・日置川の合川ダム下流へ22日、友釣りに出掛けた。午前8時半ごろから、宇津木橋下流のワルゴケに入川。瀬肩を止め釣りで攻めると、追い星がくっきりと出た海産アユが入れ掛かりになり、数釣りを堪能した。午後から市鹿野橋の上下流の瀬に入ると20センチオーバーが続々とヒット。押しの強い流れの中で竿を絞り込まれる興奮ファイトを楽しみ、午後4時までに14~22センチを44匹追わせた。

「今年はアユがたくさん見えているが、水量が多くて低水温のために追い渋っている感じ。それでも、大滝や市鹿野はいいサイズのアユが釣れてるよ。中、下流もアカが付いてきて、いい感じになってきている」。オトリ店「森のお宿」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の店主・森清さんから状況を聞き、午前8時半すぎ、宇津木橋下流のワルゴケに入った。

朝から、真夏の太陽がギラギラと照り込み、まさにアユ釣り日和。もしかしたら、アユの追いが一変するかも。期待感が頭をよぎる。水位は約10センチ高で濁りなし。アカも全体的に付いていていかにも釣れそう。右岸側に渡り、石がひときわ明るく見える淵尻の瀬肩を狙うことにした。水中を観察すると、縄張りをもった野アユが確認できる。いい感じだ。オトリを送りだすと足元から1メートルも進まないとろこで目印がビューン。流芯へ向かって走りだす。1匹目だけに慎重に引き抜き、タモに収めたのは追い星くっきりの18センチ。きれいな海産アユだった。

追い気満々やんと、素早くオトリを交換。送りだすとすぐにギラッと光って入れ掛かり。オトリを上流に30センチほど引き上げては止め、しっぽを振らすと次々に掛かり、午前11時までに14~19センチを25匹キープ。数釣りに満足したところで、次は森さんお薦めの良型ポイント(市鹿野橋周辺)へ。

午後12時半すぎ、橋の上流の瀬肩へ入った。手前からオトリを止めながら探っていき、流芯にオトリを入れると、ガツン。強烈なアタリとともにギュイーンと流れに乗って走る。川底からなかなか浮き上がってこないパワフルな引きと真剣勝負。タイミングを見計らって引き抜いたのは背ビレの長い体高のある22センチ。ほれぼれする魚体だった。

次は腰まで立ち込み、対岸を攻めると張っていたラインがふっと軽くなり、目印が一瞬で視界から消える。そして次の瞬間、重量感満点の手応えで竿がしなる。体全体でパワーを受け止めながら、じっくり浮かせ、引き抜いたのは21センチ。これも良型! 掛かるアユは20センチ以上ばかりで意気揚々。流れの押しが強い中、ものすごいパワーで走り回るので、1匹1匹が大勝負。激しいアタリ、パワフルな引きを必死で受けとめる興奮ファイトを楽しみながら橋の下流まで下り、午後4時までに20~22センチを19匹追加。心地よい疲れを感じながら川をあとにした。【日刊FPC・下田成人】

【今後の見通し】海産アユのベストシーズンはこれから。9~10月が最盛期。アユがたくさん見えているので期待できる。渇水になればトロ場やチャラ瀬で上飛ばしの数釣りを楽しんでほしい。

【問い合わせ】森のお宿【電話】0739・54・0345。年券1万1000円、日券3300円。

【交通】阪和道、湯浅御坊道路を経由。紀勢道の上富田ICを出て右折。国道42号を南下、上富田町の岩崎の信号を左折。同311号に入り、生馬の信号を右折。生馬橋を越え県道36号を約20分走り、大橋を過ぎてすぐ右側が森のお宿。