静岡・石廊崎でイサキ&メジナのポイント「小赤島」等への渡船を行う日刊スポーツ共栄会「橋本屋」(山本一人代表=50)で11日、同魚にチャレンジする常連客3人に密着した。

「橋本屋さんはもう15年は通ってます」という山木隆男さん(58)は、「正直いうと、この時季はもうサバが湧いていて、メジナは厳しい」。山木さんの釣り仲間、佐藤正樹さん(58)松平光央さん(49)は山木さんを“組長”とする山木組のメンバーだ。

「小赤島」に上陸後、まず行うのはポイント選び。組長が選んだのは島の先端部。島から海面をのぞき込むと「いるな~!」。小さなサバの群れが湧いていた。「やる気なくなるか~」と苦笑。「他の餌取りはある程度まき餌でかわせるけど、サバはダメ。ウキのポチャという音でも寄ってくる。やつらはとにかく速いですから」。島の左側に松平さん、右側に佐藤さんでスタート。佐藤さんの第1投目には、小さなサバが付いていた。

ルアーで様子見していた組長はオキアミフカセに変更。するといきなり本命のメジナがヒット。「来たけど、小さいな~」。30センチだったが、石廊崎のローカルルール「30センチ以下はリリース」にのっとってリリースした。その数分後にもヒットするが、これはさらに小型で再びリリース。その約5分後には佐藤さんのサオもしなり見事ゲットだが、これも型が小さくリリースとなった。

その後はサバの猛攻が続いた。松平さんは「少しでも速く餌が落ちるように、針のすぐ上にガン玉を打ってみます」。この作戦が当たった。松平さんのサオが放物線を描くが「あっ!」と声が漏れた。無常にもバレた。「アワセがちょっと遅れてしましまいた」と悔しがった。

「ジャマしっちゃうよ!」。そういうと、松平さんの横に組長が陣取った。数回投入すると、ウキが一気に沈む。ビシッ! すぐさまアワセを入れ、良型のイサキを釣り上げていた。

その後もサバの猛攻が続き「もう沖まで投げてもサバ。浅場も深場も全域サバ。これではやりようがない」と組長。釣れたサバを泳がせてヒラスズキを狙ってみるが、「ヒラスズキはもっとじゃばじゃばサラシ(白波)が立ってないとダメなんだけどね」。結果は、根魚にかじられたサバを、サバの群れが突っ付いて終わった。

「小赤島」に見切りを付け、ポイント移動。山本代表が選んだのは「陸の丸島」。「沖の丸島に着けたいけど、今日は風が強いの辞めておきます」。同ポイントで誰よりも先にサオを出した組長がメジナをゲットするが、これもリリースサイズ。「ここはスズメダイにチョウチョウウオ、そしてサバもいますからね…」という松平さんは、1度メジナを沖に誘うまき餌を打ち、その後足元にまき餌を打って餌取りを集めてから仕掛けを投入。ここでも針の上にガン玉を打ち、餌持ちがいい練り餌で勝負していた。すると、サオがグンとしなるが、魚が根に入ってしまいバレてしまった。

結局この日「小赤島」で山木さんメジナ2匹イサキ1匹、佐藤さんメジナ2匹、「陸の丸島」では山木さんのメジナ1匹で、あとはサバ多数となった。

山本代表は「今日はサバが多すぎでしたね。すみません」と笑いながら謝罪。「小サバが散れば、メジナ、イサキ等が期待できます。サバを使った泳がせも楽しめると思います」とし、「15日から夜釣りもスタートしますので、こちらも楽しんでください」とアピールした。