ゲーム性が高くて人気のあるオモリグ、イカメタルで良型のケンサキイカを狙おうと先日、福井・若狭大島の「川口渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で同沖へ出た。スルメイカが多い時期のため、底付近を集中的に狙うと本命がぽつりぽつりとヒット。エサ巻きエギのロングステイで良型がよく当たり、竿頭で25~38センチを20匹キャッチした。ケンサキはこれからが絶好機。梅雨明けの本番から数釣りが期待できる。【近江康輔】

   ◇   ◇   ◇

「ギューンギューンとロッドを絞る引きがたまらない」。大剣クラス(40センチ超)の締め込みに魅了され、月に3回ほど、日本海に出掛けるという舳先の加賀屋一夫さん(明石市)が得意のオモリグで開始早々から胴長35センチのケンサキをキャッチした。この時期の若狭湾は中層に群れるスルメイカをかわして底付近のケンサキを狙うのがセオリー。

水深は約85メートル。ヒットレンジは底から5メートルほど上まで。シャクリすぎると、どう猛なスルメイカが先に食ってくる。そのため、ゆっくりエギを動かしてはロングステイでアタリを待つ。そんなヒットパターンを熟知している右舷の田中智之さん(明石市)も丁寧なリフト&フォールで37センチをゲット。2人とも、上手にケンサキだけを釣っていく。

一方、左舷ではイカメタルでスルメイカが入れ掛かり。「一夜干しにするとおいしいので狙っています。よく引きますわ」と神戸市の谷本浩二さんがにっこり。小刻みに竿先を揺らすシェイクで中層を狙い、次々にロッドをしならせる。

集魚ライトがともされ、3時間ほどは順調に釣れたが、その後はイカがエギを見切ったのかペースダウン。ここからが腕のみせどころ。エギのカラーやサイズ、ハリスの長さをいろいろ試しながら、ぽつりぽつりと釣っていく。そん中、目を引いたのはエサ巻きエギに切り替えて大型を狙う加賀屋さんと谷本さん。

加賀屋さんは、自分で塩漬けにしてきた、ささみ肉をワイヤーでエギに巻き付け、ゆっくり上下に誘ったあとのロングステイで38センチをゲット。谷本さんは、なんとペットフード(犬用の乾燥させたささみ肉)が大アタリ。ここぞとばかりにべた底を狙い35、38センチのケンサキを仕留めて大喜び。「ネットの動画で見たのですが、これすごいですわ。めっちゃアタリが出ますよ」と好調に竿を曲げる。

記者も、もらって試すとびっくり。オモリが底につくなり、コンコンコンと明確なアタリが出て35センチがヒット。キビナゴよりも効果的だなと実感した。結局、竿頭は加賀屋さんで25~38センチのケンサキを20匹ゲット。谷本さんはスルメを20匹に同型のケンサキを7匹キープ。あの手この手でイカ釣りを堪能し、午前1時ごろ、沖をあとにした。

【今後の見通し】ケンサキイカはこれからが本番。しばらくはオモリグでの型狙いだが、梅雨が明け、小、中型の大きな群れが西から入ってくると数釣りの絶好機を迎える。水温の上昇とともにイカが浅ダナに浮きだし、イカメタル中心の手返しのいい釣りが楽しめる。釣期は晩秋まで。

【問い合わせ】川口渡船【電話】090・8969・7909。イカ釣りの料金は、乗合船1万3000円~。仕立船5人まで6万円~(1人増1万円)。出船、納竿時間は要確認。他にもFCビッグワン(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・3767・1130がある。

【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て国道27号を西へ。青戸大橋の信号を右折。県道241号を道なりに走り、トンネルを2つ抜け、右手に入り江が見えてきたら右折。海岸沿いを進むと左手に川口渡船があり、向かいが乗船場。