日刊FPC(日刊スポーツペンクラブ)の下田成人選手(関西)が平成26年度(鳥取・日野川大会)に次ぐ2度目の優勝を飾った!! 「令和4年度GFG(がまかつファングループ)杯争奪全日本地区対抗アユ釣り選手権」(主催・GFG、共催・(株)がまかつ、GAMAKATSU PTE LTD)が7月25日、大分・豊後大野市の大野川で開催された。東北~九州の10地区より選抜された33人にレディース会員の代表3人を加えた36人で個人戦の予選を兼ねた団体戦を戦った。決勝戦は9選手で戦い、急瀬を果敢に攻めた下田選手が佐々木淳選手(東北)に3匹差の12匹(オトリ2匹含む)追わせて制した。団体戦も関西地区の日刊FPC(下田、堀内圭三、井上富博選手)が活躍。関東地区と並ぶ29匹でともに優勝した。【近江康輔】

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「めちゃくちゃ楽しかった。手元まで響く良型アユのダイレクトなアタリ、急流での豪快なやりとり。夢中で釣りました」。下田選手が少年のように目をきらきらと輝かせ、決勝戦の興奮ファイトを披露した。

決勝は犬飼大橋の上下流で戦った。岩盤底が多かったが、時間内(1時間半)で最も匹数を伸ばすには大石がたくさん入った白波の急瀬しかないと判断。がま鮎競技スペシャルV7引抜急瀬(9メートル)のロッドにメタブリッド中比重0・1号をセットし自作背針を打った万全のタックルで挑んだ。

手前の筋でオトリを替えると徐々に流芯へ。ソリッド穂先でオトリを底に落ち着かせて尻尾を振らせる絶妙のロッドコントロールで良型をコンスタントにキャッチ。バレを防ぐために掛け針も流芯に近づくたびにサイズアップしていった。

そして終了直前、下手のエリアが空くと仕上げとばかりに流芯攻め。8・5号の3本錨(いかり)に交換し、オトリを沈めるとガツーン。強烈な当たりとともにロッドが大きくしなり、下流へ下りながら豪快なやりとりを堪能。終了のホイッスルと同時に25センチをタモに収めた。

その瞬間、「ヨッシャー」と声を上げてガッツポーズ。思い描いた瀬釣りを完結することができた達成感が体中をかけめぐり「優勝を直感した」と振り返る。

下田選手の信条は、自分の得意な釣り方ができるポイントを選ぶのではなく、試合会場で最も匹数が伸ばせるポイントを見極め、そこを攻めるベストな釣り方で臨むこと。もちろん、へちで勝てるフィールドなら徹底的に泳がせる。今回はトラブルを避けて岩盤底を狙っても、匹数が伸びないと読み、引き水で濁りもきつい中、自分の信念を貫く、見事な戦いぶりだった。

2つ目となるGFG杯を手にすると所属クラブ・銘松会の会長で関西地区本部長の中谷均氏から「おめでとう。でもな、GFGはもういいぞ。G杯を取ってこい」と叱咤激励され「わかっています」ときっぱり。

G杯は下田選手にとって唯一無二の目標。銘松会に入会以来、憧れ続けて23年。「がまかつのフィールドテスターとしては絶対に取りたいタイトルです。これからもいろんな川に積極的に出かけ、自分の釣りを磨いていきます」と意気込みを語った。下田選手に迷いなし。オールラウンダーを極めてG杯を引き寄せる。

◆下田成人(しもだなりと)1974年(昭49)1月15日生まれ。和歌山県有田川町在住。会社員。アユ釣り歴28年、ホームは有田川。銘松会、GFG関西和歌山支部所属。がまかつフィールドテスター。本紙にアユ釣りの記事を執筆。

<日刊FPC躍動 関西地区7年ぶり団体V>

日刊FPCの3人が躍動!! 7年ぶりに関西地区に団体優勝を呼び込んだ。Aグループは大会本部(大野川河川公園)の上流へ、下流部にB、Cグループが入った。試合時間は午前6時~10時半。Bの下田選手、Cの井上選手は下見で手応えを得ていた瀬を攻めた。2人はあし際やへちでオトリを交換。試し釣りで釣り荒れたポイントを避け、竿抜けを丁寧に探り、井上選手が10匹、下田選手が14匹キープ。引き水で水量があり、濁りもあって釣りづらい中、持てる力を出し切った。

一方、Aの堀内選手は上飛ばしでトロ場攻め。高水温でオトリが弱りやすい中、時合を待つと、日が照りだした午前10時ごろ、ガツーンと良型が針掛かり。試合終了時刻が迫る中、3連発させ、3人で29匹提出。審査の結果、同匹数の関東地区とともに歴史のある団体戦の優勝カップを手にした。