食欲の秋ということでおいしい魚に加えて、イカをたっぷりゲットしようと先日、福井・若狭大島の「川口渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で若狭湾へ半夜釣りに出た。前半は68センチのマダイを筆頭にチダイやレンコダイにウマヅラハギなどが入れ掛かり。夜は波が高くて、イカの乗りはイマイチだったが、ケンサキにスルメにアオリを19匹キープし、八目釣りを達成。秋が深まると魚の活性が高まり数、型ともに期待できそうだ。

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「秋の海になってきたよ。魚の食いが夏場と全然違うわ」。川口清一船長の言葉どおり、仕掛けを落とすなり入れ掛かり。水深は60メートルで底は沈船の人工魚礁。底までオモリを落とし、1メートル上に引き上げて待つと、いきなり、カンカンカンと竿先をたたく激しいアタリでお出迎え。取り込む途中もグイグイ竿を引き込む心地よい締め込みをみせる。

なにが釣れたのか? 期待して取り込むと30センチ級チダイのトリプルだった。ほかの人も次々に食わせて電動リールの巻き上げ音を響かせる。ウマヅラハギにレンコダイも掛かって大忙し。中層にはハマチが群れ、取り込み中に餌をひったくっていくこともしばしば。

そんな中、竿の胴まで強烈な引きで絞り込む大物が針掛かり。ドラグを緩め、鋭い3段引きをいなしながら、浮かせてくると、きれいなピンク色の大きな魚体がゆらゆらと姿をみせた。

これには、船長もびっくり。「でっかいマダイやぞ。ばらすなよ」と慎重にタモ入れ。測ると68センチ。しかも、ほかの針が飛ばされており、マダイが連で食ってきた様子。ハリスが短い簡単な胴突き3本針仕掛けにこんなマダイが食ってくるなんて…。魚の食い気がすこぶるいい。

その後も、コンスタントにアタリが続き、五目釣りを堪能したところでケンサキイカを狙って、沖へ船を走らせた。ポイントの水深は90メートル、底は砂地を流し釣りで探っていく。だが、イカの活性は低く日暮れから2時間たっても、ケンサキ5匹にスルメが4匹だけ。

厳しいなと思っていたら、海面に黒い影がちらほら。もしかしてアオリイカ? すぐにエギ仕掛けをセットし、キャストすると一発でヒット。陸釣りとは大違いで反応がすこぶるよくて入れ掛かり。2回しゃくって止めだけで乗り乗り。なんと30分もしないううちに13~17センチを10匹ゲット。なんぼでも釣れるわと期待したが、波が高くなるとアオリが姿を消してしまった。仕方なく、ケンサキを狙っていくが、追加はなく波が一段と高くなり、午後10時前に早上がり。それでも、8種類の魚、イカでクーラーは満タン。若狭湾の秋の恵みをたっぷりキープし、沖をあとにした。【近江康輔】

【今後の見通し】水温が下がるこれからは良型のマダイやヒラマサ、メジロが完全フカセで狙える。五目釣りはレンコダイが多くなり、マアジやサバも釣れだす。他にはアオリが狙い目。浅場の夜釣りで専門に狙えば、かなり匹数が伸びそう。ひと潮ごとにサイズも大きくなるので楽しみ。

【問い合わせ】川口渡船 【電話】090・8969・7909。料金は乗合船1万3000円~。仕立船5人まで6万5000円~(1人増1万円)。出船、納竿時間は要確認。ほかにも、FCビッグワン(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】090・3767・1130がある。

【交通】舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て国道27号を西へ。青戸大橋の信号を右折。県道241号を道なりに走り、トンネルを2つ抜け、右手に入り江が見えてきたら右折。海岸沿いを進むと左手に川口渡船があり、向かいが乗船場。