BS釣りビジョン「きょうも大漁! 関東沖釣り爆釣会」6代目リーダー太田唯(27)が、静岡・田子の浦「海渡」(市川進船主)でアマダイ五目に挑戦した。取材当日の天気予報は、関東平野部が雪。田子の浦港は午前9時から雨だった。北西の風で出船自体は可能だったが、ふたを開けてみれば乗船は取材陣のみ。風で体感温度が下がる極寒の中、海水で指先を温めながらの挑戦となった。

おとぼけ顔で、まるでゆるキャラのような見た目のアマダイだが、実は高級魚。釣り物としては、この時季が旬だ。「アカアマダイとシロアマダイは狙うポイントも深さも違います。アカは深めだけど釣りやすく、シロは浅めだけど釣れないこともあります」と浩輔船長(43)。釣果重視でアカアマダイ狙いとした。

「アマダイは5~6回やっています。つい2カ月前にも相模湾でやりましたが、そのときは結構渋くて、ゲストはたくさんでしたが、本命は小さいのが1匹でした」とリーダー。また、「今年の初釣りがこんな状態。前途多難ですね…」と苦笑した。

出船前、浩輔船長に基本的な釣り方を確認。「着底したら1~2メートルくらい上げ、そこからゆっくり1メートル上げて誘いますが、途中で止めを入れてやるといい。アタリがなければ1メートル落として誘い直す。基本的にはこの繰り返しですが、深さが頻繁に変わるので、小まめに底を取り直したほうがいいです」。最近、オモリで海底をたたく誘い方もある。「自分はあまり関係ないと思います。着底して上げたときに当たることが多いので、そんな説が出てきたと思います。実際には分かりませんけど」と笑った。「即アワセの必要はないけど、アワセはゆっくり入れたほうがいい」と続けた。

ポイントは港から10分ほどの近場。リーダーは「今日はいつ降ってもいいように、撮れ高重視で行きます」と宣言。その言葉通り、開始早々「当たった!」。着底後、海底からオモリを1メートル上げ、誘いでサオを上げた瞬間だった。「ん~、食い込んでいるのかな?」と手巻きでリールを巻くと、サオ先がグンとしなった。食い込んだことを確信し、電動リールで巻き始めると、再びサオ先がグンとしなった。「乗った、乗った! アマダイは向こうアワセというか、あまり早くアワセるとバレちゃう。だいぶゆっくり待ちました。前回はタチウオのクセでバンとアワセてしまい、バラしましたから」。しかも、宙層で首を振るアマダイ特有の引きもあった。海面に姿を見せたのは30センチの本命。これを無事取り込むと「よっしゃ~! 目がクリクリでかわいい!」。

その後雨が降り始め、徐々に雨脚が強くなる。さらには、みぞれとなった。そんな中、サオを出し続けたリーダーにご褒美のアタリ。「来たよ、来たよ」。実はその前にもアタリがあった。「落とし直しをして食い込んでくれました。これがアマダイだったらうれしいですね」。上がったのは本命だがやや小ぶり。「これはリリースですね。チョンチョンと当たったけど食い込まない感じだったので、落とし直したら来た。型は最初の方が大きいけど、思い通りに釣れたのでこっちのほうがうれしい!」と笑みを浮かべた。

約3時間が経過すると、餌を付ける手がかじかみ、海水で手を温めるリーダー。ここで、早あがりとした。「短期決戦でしたが、記者さんと2人でリリース含めて6匹ゲット。これまでは3匹が最高だったので、この短時間で2匹は上々です。天候さえよければ…」と悔しさものぞかせた。

浩輔船長は「今日は潮が全く動かず探れなかった上にこの寒さ。序盤に釣れたので、自分もホッとしました」。今後は「3月いっぱいはできると思います」とアピールした。【川田和博】

■初体験の記者、いきなりダブルヒット

記者はアマダイ初体験となった。水深110メートルとかなり深めだったが、1投目で“コンコン”と当たった。反射神経が鈍い記者は即アワセ系は苦手だが、アマダイはゆっくりしたアワセなので安心。ゆっくりサオを上げるとサオ先がグンとしなった。食い込みを確信して、電動リールを巻き上げると、いきなりのダブルヒット! その後もアタリを確実に捉え、リリース含め4匹をゲット。記者にとっては、食べるまでが釣り。獲物は刺し身と昆布締め、松かさ揚げでいただいた。刺し身はねっとり系でやや甘みがあり、昆布締めは水分が抜け締まった感じで歯応えが良かった。松かさ揚げはウロコと皮がパリパリで、身はフワフワ。厳しい環境で釣ったこともスパイスとなり、至福の時となった。

◆田子の浦「海渡」 電話:0545・60・0708。アマダイ五目船は集合午前6時30分、餌(オキアミ)&氷付き1万円。現在、マダイ五目、夜タチウオも出船中。※詳細は電話でご確認下さい。