スズキが釣れている兵庫・尼崎市の「尼崎市立魚つり公園」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)に2月25日、出掛けた。北風が吹き上潮と底潮が逆流れの悪条件のなか、まき餌ワークや潮受けで対応するなど、ハネ特有の微妙なアタリをとらえた人が釣果を挙げた。この日は、60センチのスズキ、50~56センチのハネ5匹だったが、条件さえよければ型も、数釣りも期待できる。【中村和嗣】

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エビまき釣りは、頭の中で海中の状態を想像し、いかにして、まき餌と刺し餌をイメージどおり同調させて釣るかが面白い。

午前8時前、同公園に到着。職員に「開始早々に内向き中央でスズキが釣れてます」と様子を聞き桟橋へ向かうと、ハネ狙いの釣り人が桟橋内向きにずらりと並んでいた。

60センチのスズキを釣った西口実さん(枚方市)に話を聞くと、シラサエビを上まきしながら、タナ4ヒロでのウキ釣りで桟橋際を流すと、いきなりウキがチョンと沈むハネ特有のアタリがでたので、聞き合わせて釣ったという。

午前9時すぎ、外向き西側でズボ釣りをしていた常連の谷陽一さん(大阪市)が、竿先のコツンときた小さなアタリをとらえ55センチのハネを釣り上げた。「潮の流れが速いので、潮上から底まきの回数を増やしてポイントをつくった」と満足げに笑みをみせる。

時合なのか、内向き中央付近で、ウキ釣りをしていた服部司さん(伊丹市)のサオが絞り込まれ、50センチをゲット。「上潮と底潮が逆流れなので、海中をイメージして大きめの潮受けをつけ、まき餌に刺し餌を同調させて釣りました」という。服部さんは、さらに20分後にも同型を追加した。

この後は北風が強くなり、このまま終了かと思った午後2時すぎ、内向き中央でウキ釣りと、ズボ釣りの竿を2本出していた中島和昌さん(京都市)が、なんとダブルヒット。

ウキ釣りの竿でやりとりしながら、タモに収めたのは56センチ。だがズボ釣りの方は残念ながら間に合わなかった。「何度かもぞもぞとさわりがあったが、まさか同時にヒットするなんて」と無念の表情だ。

この後、アタリはなく終了となったが、この日のスズキとハネ(すべて50センチ超)の食いダナは4ヒロで、ほとんどが桟橋際での釣果だった。

【今後の見通し】例年より数は少なめだがハネは50センチ級が多く、60~80センチのスズキも交じる。これから水温が上がると食いも活発になり、スズキの数も増えるだろう。5月ごろには産卵を終えたハネが体力を回復しようと荒食い状況を迎え数釣りが期待できる。ほかにチヌも乗っ込みの良型が狙える。

【問い合わせ】公園事務所【電話】06・6417・3000。釣り料金は、大人830円、子ども(6~15歳)410円。営業時間は、午前7時から午後5時まで(4月まで)。定休は火曜日。祝日は営業、翌日が休日。餌、仕掛け常備。レンタル竿もあり。有料駐車場完備。国道43号下の尼崎市営バスロータリーから送迎バスあり(要連絡)。

【交通】阪神電車の武庫川駅下車、タクシー利用で約5分。車は大阪から国道43号の武庫川信号から左の側道に入り直進、行き止まりの堤防を左折、直進し川沿いに南へ。突きあたりに同公園がある。