「第10回梅花丸マダイダービー」の最終決戦が10月29日、千葉・飯岡「梅花丸」(梅花武幸船主=61)の午後船で開催され、高田優貴さん(36)が3匹合計20・18キロで初優勝を飾った。

    ◇    ◇    ◇  

同ダービーは7月15日に開幕。対象はひとつテンヤ、タイラバでのマダイ。期間中の入れ替えは何度でも可能だが、午前&午後船でそれぞれ1匹が対象となる。そのため、8日連続で乗船した猛者もいる。「4日間は午前&午後の通しで、8日目も通しを希望されていました。でも、船長の体力を考慮して午後は出船を見合わせていただきました」とおかみさん。熱量の高さをうかがわせるエピソードだ。

高田さんは「9月30日の中間発表時点では24位。圏外でした」。だが、10月2日に7・44キロの特大を釣り上げると風向き変わった。その後4・96キロと4・15キロを上げ、最終決選進出者が決まる22日午後船終了時点で4位まで順位を上げた。「良いところまで来たのでもうちょっと頑張ろうと思った」。その言葉通り23日に6キロ、25日に6・74キロゲットでトップに躍り出た。「6・74キロは着ドンしてすぐに食べて、ずっと走っていたのでヒラマサかと思った。リプレイテンヤ8号オレンジでした」という。

最終決戦進出者の多くが同日午前船に乗船していた。昨年の覇者石井一さん(57)もその1人だが、帰着するなり「今年はもうこのままの順位になりそう」。梅花政輝船長(33)は「海況が悪く、大ダイのポイントに行けません」と肩を落とした。高田さんは最終決戦のみの乗船だったが、「まだ何があるか分かりませんから…」。そんな高田さんを襲ったのが船酔い。歴戦の猛者をしてもの荒れ模様だったが、ライバルから薬をもらって挑んだ。

14人の精鋭が最終決戦に挑んだが、2キロ弱は釣れても、入れ替えサイズは上がらない。そして午後5時。終了の合図で高田さんの優勝が決まると、仲間たちから「おめでとう!」と声をかけられた。だが、「首位に立ってから今日までがドキドキでした。入れ替えされるんじゃないかって」と胸中を吐露した。“追うモノ”から“追われるモノ”へと立場が変わり、後者の心境を味わった。終了の合図はその緊張から解き放たれた瞬間でもあった。「実感はないけど、良い結果が残せるようにこれからも頑張ります」。高田さんをはじめ参加者たちの濃密な3カ月半が幕を閉じた。【川田和博】

■コツは「根ズレ」ケア

優勝した高田さんに大ダイとのやりとりのコツを聞いた。「根があるところだと根ズレで切れるので、潜られないようにドラグをガチガチに締めて、針が伸びない程度にゴリ巻きしています。根がなければ緩めで、糸も細めにしています」。

■タイは新しいもの好き?

最終決選出場者14人中13人が使用していたのが「リプレイテンヤ」。これは18位の石井聡さんが作ったもの。高田さんは「遊動式はこれしか使ったことがないので他との差が分からない」。販売も手がける石井一さんは「何が違うんだろうね? でも釣れなかったら使わないよね」とした。聡さんいわく「個人的な感覚だけど、タイは新しいもの好き。だから興味を示しているだけなんじゃないかな。でも凹凸部分でキラキラ光るのは影響がありそう」と話した。

■初女性ランクイン

ダービー最大8・66キロを上げた松原美千代さん(53)は史上初の女性ランクインを果たした。「3年前にテンヤマダイにハマってこのダービーを知って、だんなさんと一緒に30回くらい通いました。この最終決戦に乗るのが目標だったのでうれしいです。順位はともかく、期間中に3匹そろえられてよかった」。8・66キロは「最初全然動かなかったので、根掛かりかと思いました。これまでの最大は6キロだったので人生最大です」。濃密な3カ月半が終わるが、「ロスになりそう」とほほ笑んだ。

▼飯岡「梅花丸」【電話】0990・2155・0500。集合時間午前船=3時45分、午後船=午前10時30分。餌は自社調達の活きエビ使用。冷凍の場合もあり。現在、ヒラメも受け付け。※料金はお問い合わせを。