★ピンピンコロリ

 100歳以上の高齢者は、全国で6万7000人以上を数えます。100歳以上、百寿つまりセンチナリアンの人口は、47年連続で増加。人生100年時代は、確実に現実のものとなっています。長患いして長生きしたくないと思っている人たちも多いと思います。内科の外来で患者さんに聞くと、せめて、人生を楽しめる間だけ長生きしたい。「PPK」がいいと言います。ピンピンコロリ。百寿まで生きると、倒れた後の長患いが少ない。60歳で倒れると、その後が長くて本人も家族も大変。だから健康づくりが必要なのです。

★慢性炎症が少ないと健康長寿になる

 なぜ、センチナリアンは高齢になっても元気でいられるのでしょうか。

 慶応義塾大学と英国ニューカッスル大学の共同研究では、センチナリアンにいちばん影響を与えているのは、慢性炎症の指標が少なかったことでした。

★慢性炎症って何だ

 肺炎や傷口に起こるのは、急性炎症です。これに対して慢性炎症とは、普通に生活ができているけれど、本人も気がつかず、じわじわと起きている炎症のこと。動脈硬化も、慢性炎症だと分かってきました。

★メタボは慢性炎症を起こす

 認知症も、脳細胞の慢性炎症が関係している。遺伝子が傷ついて細胞ががん化するのも、慢性炎症が1つのきっかけ。糖尿病や肥満がいろいろな病気を合併しやすいのは、慢性炎症を起こすから。多くの病気が慢性炎症に関係しているのです。だからメタボ健診は大事なのです。

 野菜や魚を食べて、適度に運動をして慢性炎症を減らす生活習慣の積み重ねがセンチナリアンを作る。人生100年時代を生き抜くコツを、この連載で具体的にお教えします。