★欧米型の食事も、死亡リスクを下げる

 「健康型」「欧米型」「伝統型」の3つの食事のうち、最も健康にいいのはどれだと思いますか。

 国立がん研究センターなどが「食事パターンと死亡リスク」について調べた結果、死亡リスクが低かったのは「健康型」と「欧米型」の食事でした。

 これは、40~69歳の男女約8万人を対象に15年間追跡調査した。「健康型」の食事の傾向が高い人たちは、心臓病の死亡リスクが25%低く、「欧米型」の食事の傾向が高い人たちも12%低くなっていました。脳卒中も同じ様な傾向です。

★食物繊維、発酵食品がいい

 「健康型」の食事の特徴は、野菜や大豆製品、きのこ、海そう、脂の多い魚が多い。発酵食品や、食物繊維やオメガ3のえごま油なども豊富にとっている。

 「欧米型」の食事は、肉類・加工肉、パン、果物ジュース、コーヒー、乳製品などで、タンパク質が多いのが特徴。これが死亡リスクを下げる理由ではないかと考えられます。

★滋賀男性長寿日本一の理由

 一方、「伝統型」の食事は、ご飯、みそ汁、漬物、魚介類、果物などで、塩分が多く、食物繊維やタンパク質は多くありません。粗食は健康によくないのです。だから鎌田はPPK(ピンピンコロリ)を目指して野菜、ヨーグルト、納豆、魚肉をよく食べています。

 最近、滋賀県が男性の平均寿命で長野県を抜いて1位になりました。一日の野菜摂取量を290グラムから350グラムに増やそうと、「野菜食べ隊」をつくって県民運動を展開した結果が実ったと思われます。また、滋賀県にはもともと鮒(ふな)ずしなど発酵文化が根付いています。

 以上のことから、本当に健康にいい食事とは、粗食ではないことがわかります。