★減塩、野菜、運動が大切

 ぼくが内科医として働きはじめた43年前、長野県は脳卒中多発地域でした。1人1人が意識改革をして、血圧を測る習慣をつけ、食事や運動などの生活習慣を変えていったところ、平均寿命日本一になった。

 大事なのは<1>野菜<2>減塩<3>運動<4>減量です。これで多くの人が、血圧をコントロールできます。

 生活習慣の改善をしても血圧をコントロールできない場合は、慎重に薬を処方します。薬は、明らかに脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らす効果があります。

★薬を止められる人もいる

 「降圧剤は一生飲み続けないといけないのでしょうか」。よく患者さんに質問されますが、それはまちがい。

 生活習慣を改善すると薬が必要なくなることがあります。ただし、自己判断で薬を止めるのは禁物です。薬を止めたときほど血圧測定をし、血圧が安定していることの確認が大切。

★睡眠時無呼吸症候群

 降圧剤を飲んでいても血圧をコントロールができない場合は、睡眠時無呼吸症候群などほかの病気のことも考えないといけません。診察室では基準値の血圧でも、早朝に血圧が高くなる人や夜間に血圧が高くなる人がいます。1日に何回か血圧を測り、自分のタイプを知っておきましょう。

★血圧サージに注意

 血圧が急上昇する血圧サージは脳卒中のリスクが高い。さらに血圧が日によって上がったり下がったりする変化も、認知症リスクが高いといわれ、注意が必要です。

 こういった血圧の変動が激しいタイプは、薬でコントロールするのが難しく、むしろ食事や運動、減量など本気で取り組むことで良くなることが多い。人生100年時代を生き抜くためには血圧の安定はとても大切です。