前回に引き続き幕末の話題。今日は「西郷隆盛」ゆかりの教育法について。昨年の大河ドラマ「西郷どん」では、ストーリーはもちろん、西郷隆盛や大久保利通を育てた「郷中教育」にも注目が集まった。「郷中教育」は、教師ではなく年長者が年少者を教え、子どもたち同士で学び合うという薩摩藩伝統の学びの仕組み。「負けるな」「弱い者いじめをするな」といった数々の「教え」が存在し、こうした教育の徹底により地域の思想の統一を図り、結束力が強くなったといわれている。今回はその内容を現代風に要約し、共感できる項目を調査したデータ(※)を考察する。

▼低ストレス男女が共感する「郷中教育の教え」は、共通して「弱い者いじめはひきょう」「親しき中にも礼儀あり」が上位1位、2位に挙がった。低ストレス者は道徳的な考えを重んじる傾向にあるようだ。また、「行動が必要な時は素早く」も女性で3位、男性で4位に挙がり、あまり考え込まず、決断力を発揮することを重視している傾向にある。さらに女性は「仲間を大切にし、誰かが困ったら皆で助ける」、男性は「人の悪口を言ってはいけない」が上位に挙がった。

▼次に、高ストレス者と比べ、低ストレス者がより心がけていることを見てみよう。女性は「困難に出合ったらとにかく行動」(2・08倍)「体が資本なので日頃から鍛えておくべき」(2・00倍)など、なんともタフな印象。また「問題が起きたら仲間と相談して解決」(1・91倍)「損得よりも自分の中の善悪が判断の基準」(1・82倍)と、絆を大切にしながらも自分の意思をしっかりと持つ一面もうかがえる。

男性は、「行動が必要な時は素早く動く」(2・01倍)が、高ストレス者との比較でも比率が特に高く、「若いうちは中身の充実が重要」(1・92倍)「人に教えることで自分も成長する」(1・83倍)と、自分自身の成長に意欲的な傾向も強く見える。

友人関係や受験問題など、小中学生のストレスも問題視されている現代。ストレスオフと直結するこれらの教えは子どもを育てる上でも役立つヒントになり得るだろう。

※男女各7万人を対象に行った「ココロの体力測定2018」調査(メディプラス研究所)