仕事に自分磨きに、人によっては子育てに。忙しい女性たちにとって、毎日の「家事」はストレス要因の1つといえるだろう。家事の負担をいかに減らすか、「時短」のためのテクニックやサービス、家電などが大人気だが、今回は、特に家事の大部分を占める「料理」と「掃除・洗濯」について、普段行っている時短テクニックとストレスレベルの関係について調べたデータ(※)を分析した。すると、信じられないかもしれないが、家事のためにしているさまざまな工夫が、逆にストレスになっている可能性が浮かびあがった。

▼まず「料理の時短」に関して、高ストレス者と低ストレス者が行っている工夫を比較すると、低ストレス者は「おかずを作り置きしておく」「朝食は前日の残り物」などの項目への回答が高ストレス者に比べて多い。できる時に調理をしっかりと済ませるというメリハリをつけ、料理自体は手を抜かずに、その使いまわしや活用術で時間を短縮しているようだ。

一方、高ストレス者は低ストレス女性と比較して「できあいの総菜を買う」「出前(宅配)を活用」の項目で特に差がついた。料理をする行為自体を省略している傾向にあるということだ。また、その他にも「週に1回のまとめ買い」や「ネットスーパーの活用」なども高ストレス者の方が多かった。

▼「掃除・洗濯の時短」に関してはどうだろうか。低ストレス者が多く回答した項目は「すぐに片付ける」「着替えを同じ場所でする」など後から面倒にならない方法や、「洗濯・掃除は午前中で終わらせる」などと、時間を効率的に使う習慣が多い。一方、高ストレス者の時短方法は「(干した)洗濯物はたたまない」「よく使うものはしまわない」など、手間を惜しんで放置する内容が多いことが分かった。これではかえって部屋が乱雑になりかねない。

料理でも掃除・洗濯でも同様だが、時短のつもりで行っている行為が結果的に「〇〇しなかった」という罪悪感やストレスにつながってしまっている可能性もある。同じ時短テクでも、気持ちも家事も両方楽になるテクニックを使っていきたいものだ。

※女性7万人を対象に行った「ココロの体力測定2018」調査(メディプラス研究所)。