コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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すでにメタボリック症候群と診断された人は、体重が3~4キロ増えても悪化しやすい。一方、健診で正常値だった人も、コロナ太りで5~6キロ体重が増え、肝臓に脂肪がたまる「非アルコール性脂肪肝」になっているとメタボ予備軍につながる。

「非アルコール性脂肪肝はメタボの入り口といわれ、さまざまな代謝異常に関わります。それが2型糖尿病、脂質異常症、肥満を促進へとつながり、メタボになってゆくのです」と、東海大学医学部基盤診療学系健康管理学の高清水眞二准教授。脂肪肝や肝炎の診断・治療を数多く行っている。

脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が30%以上たまった状態で病気と診断される。だが自覚症状には乏しく、食生活の見直しをしないまま過ごしていると、メタボになってゆくのだ。こうなると肝臓に脂肪がますますたまり、脂肪肝も悪化する。

「非アルコール性脂肪肝を改善しないままでいると、非アルコール性脂肪肝炎へ移行することがあります。肝炎は肝臓に炎症が起こった状態で、肝細胞が変性し徐々に元に戻らなくなります。進行すると肝機能が著しく低下する肝硬変や肝がんのリスクも上がります」

脂肪肝の人の数%が非アルコール性脂肪肝炎へ移行するそうだが、その明確なメカニズムはまだ解明されていない。太っていない人でも、非アルコール性肝炎になることがあるという。

「いずれにしても脂肪肝を放置せず、食生活を見直すことが大切といえます」