冬は寒くて身体を思うように動かすことが難しく、コロナ禍でジムなどに思うように通えないことも。加えて、年末年始などのイベントでつい食べ過ぎる。そこに落とし穴が…。

「近年、中壮年期のサルコペニア肥満が問題になっています。筋肉量が少なく体脂肪率が高い状態です。やせにくい上に、メタボリック症候群を促進させるのでよくありません。コロナ自粛が後押ししているのではないかと懸念しています」とは、東海大学医学部総合診療学系の岸本憲明准教授。日本肥満学会専門医・指導医として患者の診断・治療を行う。

サルコペニアは、骨を支える筋肉が加齢とともに著しく低下し、運動機能も落ちてしまう病気だ。寝たきりのリスクを高めるため、高齢者で問題になっている。一方、サルコペニア肥満は、筋肉量が減ると同時に脂肪がついて太った状態。年齢問わずに起こりえる。

「BMI(体格指数=体重キロ÷身長メートル2乗)で25以上は肥満と定義されていますが、筋肉量が多くて25以上と筋肉量が少なくて24という場合は、後者の方が不健康といえるのです」

筋肉は、運動機能としての役割のみならず、エネルギー消費や体温を上げるなど、健康を保つために重要な役割を担っている。筋肉が少なく脂肪が多いと、メタボなどが促進されるのだ。

「昨年よりも体脂肪率が上がった人は、食生活を見直して改善しましょう」

ウオーキングなど身体を動かすことを意識しよう!