コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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コロナ太りを改善するための食事内容を見直しでは、「カロリーゼロ」の食品を意識する人もいるのでは。体重が増えるのは、摂取カロリーが消費カロリーを上回るため、同じ食品を食べるときにカロリーが低い方を選ぶのは、ダイエットに役立つ。だが、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上げる動脈硬化には、カロリーゼロはあまり役立たない。

「動脈硬化の最大の原因はLDL(悪玉)コレステロール(以下LDLと略)です。カロリーゼロは、中性脂肪の増加を防ぐために寄与しますが、LDL高値には役立ちません」と指摘するのは、東海大学医学部総合診療学系の岸本憲明准教授。肥満や脂質異常症の治療の専門医だ。

動脈硬化を促進させるメタボリック症候群の診断では、LDLの合併の有無は問われない。なぜなら、LDL高値は単独で動脈硬化を加速させるからだ。動脈硬化とLDLは、それほど深い関係にある。

「LDL高値の人が下げるときには、食事の油を減らすことが重要です。特に動物性脂肪はLDL値を上昇させるので控えましょう」

昼はラーメンとギョーザ、夜はから揚げともつ鍋。このありふれたメニューで、LDLは上がる。体重はそれほど増えていなくても、動物性脂肪が動脈硬化を促進させるという。ヨーグルトなどの乳製品の脂肪分も、食べ過ぎには注意が必要だ。

「中性脂肪を落とすにはカロリーゼロ、動脈硬化を防ぐには脂肪ゼロの食品を選ぶことが大切です」