コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナ感染症の第3波到来で“巣ごもり”によって、食生活の乱れやすい時期を再び迎えた。生活習慣病のひとつ2型糖尿病では、食生活が乱れると食後高血糖に陥りやすい。一方、食生活に気をつけていても、急に血糖値が上昇するようなときには注意が必要だ。

「膵(すい)がんでは、血液検査のヘモグロビンA1cが急に8%台(糖尿病が強く疑われるのは6・5%以上)になるようなことが起こります。50歳代以降、急に2型糖尿病と診断された人も注意しましょう」と、がん・感染症センター都立駒込病院の神澤輝実院長。肝胆膵領域のがんの診断・治療・研究に長年取り組み、膵がんと間違われやすい自己免疫疾患「自己免疫性膵炎(IgG4関連疾患)」の第一人者でもある。

「血糖値をコントロールするホルモンの一種・インスリンは、膵臓で作られます。膵がんによってインスリンの産生が妨げられると、血糖値は上がるのです」 高血糖には糖尿病のリスクに加え、膵がんのリスクも潜んでいるのだ。一般的に早期膵がんの診断は難しいといわれるが、超音波内視鏡検査(EUS)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などの検査を駆使することで、早期発見・早期治療は可能だ。

「慢性膵炎や膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)など、膵がんの発症リスクを高める病気もあります。異常を放置しないようにしましょう」

コロナ禍では受診もままならない状況もあるが、早期発見に努めよう。

※この内容は昨年11月の取材に基づきます。