世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス。未曽有のパンデミックに緊急事態宣言も発令され、社会のあり方が大きく変化している。他者とのコミュニケーションのあり方も大きく変化し、終息も見通せない重圧が続く。メンタルヘルスへの影響も懸念される中、「コロナうつ」との言葉も生まれた。長期化する「新たな生活様式」の中での「心」の問題とは。市ヶ谷ひもろぎクリニックの渡部芳徳理事長に聞いた。

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私がうつ病の評価尺度として生かしている「ひもろぎ式うつ尺度(HSDS)・不安尺度(HSAS)」の「うつ尺度の身体的症状」は前回チェックしてもらいました。今回は「うつ尺度の精神的症状」をチェックしてください。

抑うつ気分…「泣きたくなることなどまったくなく、元気である=0点」「ときどき、ささいなことで悲しい気持ちになる=1点」「しばしばささいなことで泣いてしまう=2点」「すぐに悲しい気持ちになり、最近はいつも涙を流している=3点」。

意欲の低下…「気力がみなぎり毎日が楽しい=0点」「最近、少し気力が落ちて、おっくうと感じることがときどきある=1点」「気力が落ち、おっくうと感じることがしばしばあり、休みたいと感じる=2点」「まったくやる気が起きずに、気力もない状態が毎日続いている=3点」。

思考力の低下…「考えがすぐにまとまり、決断することができる=0点」「以前と比べて、決定を先に延ばすことがときどきある=1点」「以前と比べて、考えがまとまらず、決定することが困難である=2点」「考えがまとまらず、自分では何も決めることができない=3点」。

満足度の低下…「毎日の生活に満足している=0点」「以前に比べて、毎日が楽しいとは思えない=1点」「最近は何をしても、本当の満足が得られない=2点」「すべてのことに不満を感じたり、退屈したりしている=3点」。

今回の精神的症状と前回の身体的症状のあてはまるところをチェック。その点数の合計で「評価尺度」がわかります。「0~9点=特に問題はない」「10~15点=ごく軽度のうつ」「16~20点=軽度のうつ」「21~30点=中等度のうつ」「31~39点=重度のうつ」と考えられます。

(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)