冬に向かっての高血圧や心臓病予防には、肥満の人は減量が効果的との話を前回した。一般的にダイエットといえば、ウオーキングなどの有酸素運動と食事制限だろう。だが、方法を間違えると逆効果になる。

「有酸素運動に一生懸命取り組むと、食欲が増して減量につながらないことがあります。また、内臓脂肪を減らすインナーマッスルを鍛える方法も、その運動を止めた途端に太りやすくなるので注意が必要です」とは、東京都健康長寿医療センターの原田和昌副院長。循環器内科で、心不全や高血圧の患者を数多く診療すると同時に、さまざまな臨床研究も行っている。

「運動習慣をほどほどに維持し、食事量を少し減らす減量の方が、体重も減りやすいと思います。筋トレのレジスタンス運動を取り入れると、脂肪を燃焼しやすく効果的です」

ウオーキングは1セット15分~30分程度を朝晩2回と小分けにする。加えて、スクワットなどの筋トレを1セット10~20回を1日5~6セット行う。

「筋トレを行いすぎると血圧が上昇するので、やはり逆効果です。やや負荷の強いスクワットなどを小分けに行うとよいでしょう」

一気に取り組んで体重を激減させたい気持ちは抑えて、ちょこちょこ歩いて筋トレする方が、身体にとって無理のない減量につながるという。食べる量を少し減らせば、さらに減量に役立つ。どうせ食べるならば、血圧改善に寄与する料理を選びたい。次回紹介する。