「はでっぱの香」麹作り
「はでっぱの香」麹作り
前日麹菌を振って寝かせた米を切り返し機でほぐし、箱へ移す
前日麹菌を振って寝かせた米を切り返し機でほぐし、箱へ移す
蒸しあがった米がエアシューターで麹室に運ばれる
蒸しあがった米がエアシューターで麹室に運ばれる
すぐに広げて一定の温度まで冷まし、麹菌を植え付ける「種切り作業」を行う
すぐに広げて一定の温度まで冷まし、麹菌を植え付ける「種切り作業」を行う
作業終了!
作業終了!

 昨年9月25日号で紹介した阿賀町の8軒の地酒専門店のみが販売するオリジナルの地酒「はでっぱの香」。酒屋、蔵元、そして一般の人も加わり刈り取られ天日干しされた酒米「たかね錦」を使った酒が、昨年12月下旬に仕込みの工程を迎えた。酒屋が仕込み作業に参加することもこの酒の大きな特長だ。12月25日、麒麟山酒造での作業を追った。

 昔から酒造りの世界では「一麹、二酛(もと)、三造り」といわれる。酒造りにとって麹作りが重要な工程であることを意味する。この日、酒屋さんたちは仕込みに使う麹作りに参加。室温36度の麹室(こうじむろ)での過酷な作業だが、今季で15年を迎えるだけあり蔵人の指導のもと手際よく作業を進めていく。

 蒸かし上がった米に麹菌を振る「種切り」も全員が体験。空気の動きも影響するほど神経を使うこの作業は「何度やっても緊張しますね」と桝屋酒店の土肥幸子さん。この緊張感が、良い酒を育む。

 種切りが終わると米全体に均一に菌がつくよう手を入れ、最後は山にして布でくるみ布団をかけて作業終了。長い作業工程のほんの一部であっても「出来上がった酒は子供のようですね。お客様に『自分たちで造った酒です』と堂々と言えることが何よりうれしい」と事務局長を務める池田英明さんは笑みを浮かべる。

 今回仕込んだ酒が店頭に並ぶのは4月ごろ。この地にしかない酒を求める旅もいいものだ。【高橋真理子】

[2016年1月9日付 日刊スポーツ新潟版掲載]