関原酒造/長岡市
17年前に異業種から酒造業界に入った松原杜氏は群馬県みなかみ町出身

 旧長岡街道に面して江戸時代に創業し、2016年に300周年を迎えた関原酒造。残念ながら08年の大火で創業時の土蔵など、ほぼ全焼したが、その苦難を乗り越え、敷地内に変わらずに湧く良水を生かし、伝統の寒造りで名酒を醸し続けている。

 代表銘柄の「群亀(ぐんき)」は「鶴は千年、亀は万年」のことわざから、飲む人の不老長寿を願い命名された。すっきりとした辛口で、「飲みやすさを追求しています」という杜氏の松原正人さんの言葉通りの味わいだ。若い人たちが日本酒と出合うきっかけとなればと、17年前に「群亀」を使った「タートルズカクテル」シリーズを発売。日本酒ベースのリキュールのさきがけだった。

 現在は「杜氏の挑戦」の名で、巨峰、シャルドネ、ライム、ライチ味を展開。さらに日本酒と巨峰果汁のみで、砂糖を使わない巨峰酒「SEKIHARA 日本酒で造った巨峰酒」も加わり、毎年3月に開催される「にいがた酒の陣」ではこれらのリキュールを目当てに訪れる女性も多い。

 しかしながら、松原杜氏が今回選んだ1本は「越後長岡藩 特別純米酒」だ。「越後長岡藩」は「群亀」に次いで20年ほど前に誕生した銘柄。酒米「五百万石」を使い、米由来の味わい深さがあり、それでいて後味はすっきりとしている。造り手として、新潟を代表する酒米を使った純米酒は、誇りであり、蔵の顔でもある。だが、ここにとどまってはいない。「次は、同じ新潟生まれの酒米『越淡麗』を使って、バリエーションある商品作りをしていきたいですね」と松原杜氏は力を込める。杜氏の挑戦に終わりはない。【高橋真理子】

[2017年8月12日付 日刊スポーツ新潟版掲載]