シャボンバースが全国進出 スプラトゥーン甲子園

決勝大会進出を決めたチーム「シャボンバーズ」(撮影・佐藤礼征)

<スプラトゥーン甲子園・近畿地区大会>◇第1日◇23日◇国立京都国際会館

人気ゲーム「スプラトゥーン2」の全国大会の近畿予選が行われ、チーム「シャボンバース」が優勝し、全国大会進出を決めた。

ガッツポーズをつくった両の拳を下ろすと、もう涙をこらえきれなかった。リーダーのおたん(19)が、真っ赤な両目を左手と白いマスクで覆った。「今年は苦労したので…。本当にうれしいです」。涙が乾いた表彰式。ようやく「目立ちたがり屋」という普段の姿に戻った。この日のために持参したアニメ「NARUTO」のキャラクターの仮面を被り、観客を笑わせた。

陽気な顔の裏側にある、周到な準備で全国切符を勝ち取った。2ゲーム先勝の準決勝、決勝では負けなしの4連勝。結果でも内容でも圧倒的だったのは、決勝の相手「カントリーズ」との対戦を想定していたからだ。

初日に集まる敵チームを研究する中で、カントリーズを強敵だとにらみ、戦法を分析していた。大会2日前から、相手が得意とする遠方射撃「チャージャー」の対策を入念に行ってきた。おたんは「みんなが、自分が今いる位置を分かっていた。毎日こつこつ努力してきた。どこよりも練習してきた」と力強く言い切った。

執念でつかんだ全国切符だった。今回のメンバー4人は、それぞれが別の地区大会に出場して敗退していた連合チーム。2位、3位と惜しくも優勝に届かず、全国大会出場のラストチャンスとなった近畿大会に全てをかけた。約1500チームの応募から抽選で256チームが当選する中、倍率5倍の大会出場権を獲得。寝る間を惜しんで腕を磨いた。

おたんは「断腸の思いだった」と振り返る。学生、社会人が混在する4人だが、深夜の3~4時間、オンライン上で集まり毎日のように練習を重ねた。

決勝大会では関東地区代表のGGBOYZらトップクラスのチームと戦う。メンバー4人は「どこも強いけど優勝したい」と口をそろえた。