CSファイナルステージ勝負の第4戦、阪神逆襲の連勝に向けたポイントは? 寺尾博和編集委員と日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏が語り合った。

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寺尾 阪神が1つ勝ったところでの水入り。「中1日」の仕切り直しで風向きが変わりますかね。

梨田氏 阪神はすべてにいい方に考えたほうがいい。救援陣の休息になったし、ファイナルステージは第2戦まで長打がなかったが、第3戦は梅野、大山に本塁打も出た。プラスと受け止めたい。狭い東京ドームで1本も出ていないと不安になってくるからね。

寺尾 やっとのことで1勝3敗ですから。

梨田氏 阪神は1勝のアドバンテージを2勝分ぐらいの重さに感じているはずだ。負けたら終わりの状況は変わらない。この流れでいけば第4戦が分岐点になる。

寺尾 もともと奇跡的に勝ち上がったわけで、ずっと捨て身の戦いです。DeNA戦だってラミレス監督の疑問だらけの采配が追い風になったわけです。

梨田氏 阪神には失うものがない。巨人に勝った3戦目もドリスを5回から投入したが、あのような戦い方しか残された道はないわけだよ。やれることを先に、先にやって、やられたら仕方がないといった采配になる。

寺尾 対巨人は3戦で計17点も奪われた。特に「4番岡本」にはうっとりです。この3試合で打率5割8分3厘、2本塁打、6打点はうらやましい…。

梨田氏 ひとつ言えるのは、岡本にはまともに勝負にいきすぎている。阿部、ゲレーロにも1発はあるがそう怖がることはないと思う。でも対岡本はもうちょっと攻め方に工夫が必要だ。内角を突いてはいるが攻めきれていなかったしね。

寺尾 阪神のリリーフ陣は巨人と違って少なくともストライクは入ります。それにジョンソン復帰の可能性も出てきた。

梨田氏 そこは簡単に考えないほうがいい。ベンチ入りするだけでも、巨人に多少のプレッシャーをかけることはできるが、すぐに答えをだすかといえば間引いて考えるべきだ。

寺尾 阪神のCSは展開的にゲーム終盤に動いてきた。「中継ぎ力」の勝負といえます。

梨田氏 巨人リリーフ陣は相変わらず計算が立たない。一方、阪神は(2-5で敗れた)初戦で負けパターンでも、ある程度の戦いができた。挑戦者として、早め、早めの継投を繰り出す戦いは変わらない。

寺尾 西対巨人打線?

梨田氏 西にはせめて打者一回り、良ければ4回ぐらいまでゲームを作ってバトンをつなぎたい。藤川の2イニングも有りだ。またディフェンスで無警戒の重盗を決められるなど、決めつけは命取り。阪神がもう1つ勝てば面白くなる。いずれにしても総力戦だ。

11日阪神戦、5回裏巨人無死一塁、岡本(右)は左越え2点本塁打を放ち丸に迎えられる(撮影・奥田泰也)
11日阪神戦、5回裏巨人無死一塁、岡本(右)は左越え2点本塁打を放ち丸に迎えられる(撮影・奥田泰也)