うまくなるためなら、どこにでも行く。

 巨人の3軍が6日、東京都町田市にある小野路球場の使用を開始した。球場のサイズは両翼93・5メートル、中堅120メートル。外野天然芝の球場が、ファーム専用の新球場が東京都稲城市に完成する23年3月まで、本拠地ジャイアンツ球場に続く第2の拠点となる。

 当面の使用は、2軍と本拠地での練習予定が重なる日に限られている。月に数回程度の見込みだが、川相昌弘3軍監督(52)は「朝から夕方まで、1日ずっと3軍だけで施設を使わせてもらえる。本当にありがたい」と感謝する。日頃から複雑な環境で練習を行う3軍にとって、第2球場の確立は大きな意味を持つ。

 本拠地ジャイアンツ球場の使用は1、2軍が最優先。3軍は1、2軍が使用しない日程に限り、屋外のグラウンドで練習を行うことができる。屋外の使用中は、スペースの限られた室内またはウエートルーム、球場外周のランニングなどで調整を行う。スペースの限られた室内では外野ノックができず、シート打撃なども実戦に即した形では行い難い。練習のタイムスケジュールは屋外の状況次第。2軍の屋外練習取材中には、たびたび外の様子を確認する3軍選手、首脳陣らの姿を目にすることがある。

 小野路球場へは毎回、練習道具を持ち運ぶ。ジャイアンツ球場からの移動時間は30分ほど。ネットなどの準備や、使用後の片付けとトンボがけも全て選手、首脳陣らで行う。川相監督は「日頃、地方へ遠征した時と何も変わらない。球場周辺のごみ拾いもするし、当たり前のことです。それが3軍です」と説明する。手間は惜しまない。存分に練習ができる環境があるなら、どこにでも向かう。そんなハングリーさを育んだ選手が、近未来の巨人を盛り上げていくのかもしれない。【巨人担当=松本岳志】