工藤ホークスが楽天との「お盆シリーズ」で、2カード連続の勝ち越しを決めた。チームは約2カ月ぶりに3連勝。投打がかみ合えば白星もしっかりついてくる。逆転Vにはまだまだ遠いが、そう簡単にファイティングポーズを崩すわけにはいかない。

 このお盆の間、工藤監督に「訃報」が舞い込んできた。プロ入りした1982年(昭57)当時、西武の2軍監督を務めていた岡田悦哉氏が11日、87歳で肺炎のため亡くなった。18歳の血気盛んなサウスポーにとって初めて接するプロ野球人でもあった。

 「とにかく厳しい方でした。プロ野球選手である前に1人の社会人であれ、ということを徹底して言われたよね。礼儀、あいさつが厳しかったしね」。新人に限らず、当時の西武の球団方針もあって徹底して礼儀には厳しかったという。「(岡田さんの)教えというか、厳しさは大切だと思う。今はそこまでではないけれど、やっぱりあいさつとか礼儀は大切だと思う」。お世話になった故人をしのびつつ、工藤監督はあらためて「初心」を思い起こしているような口ぶりだった。

 昨年キャンプ直前に2年の再契約を結び、1軍監督として「勝利」と「育成」という難問を抱えタクトを振り続けている。チームが快進撃を続けている状況であればまだしも、「必勝」を義務づけられる身にとって「育成」までは手が回らないのが実情だろう。「育てながら勝つ」-。なかなか若手が伸びない現状をこの時期だからこそ、しっかり球団もチェックする必要がある。【ソフトバンク担当 佐竹英治】