プロ野球番記者コラム

山田哲人魔法の言葉「しんど」で世界2人目大記録へ

<とっておきメモ>

<ヤクルト5-6広島>◇8月31日◇神宮

ヤクルト対広島 7回裏ヤクルト2死一塁、今季通算30盗塁を成功させる山田哲(左)。投手野村(撮影・狩俣裕三)
ヤクルト対広島 7回裏ヤクルト2死一塁、今季通算30盗塁を成功させる山田哲(左)。投手野村(撮影・狩俣裕三)

ヤクルト山田哲人内野手(26)が、2年ぶり3度目のトリプルスリー達成を決定的にした。

7回2死、左前打で出塁後、打者バレンティンの1ボールからの2球目に二盗に成功した。

トリプルスリーの達成条件の「30盗塁」「30本塁打」の2つをクリアした。打率はシーズン終了まで確定できないが、現時点で3割超えの可能性が高くなった。トリプルスリー3度は日本初で、米大リーグでもバリー・ボンズしか成し遂げていない大記録達成となる。

 ◇  ◇  ◇

3度目のトリプルスリーに挑んだ今年、山田哲人に新たな口癖ができていた。

「しんど」

関西弁で「しんどい」の意。記録達成が見えてくるに従って、この言葉を漏らす回数が増えていった。28日の阪神戦前の練習後も、甲子園の室内練習場を出ると「しんど」と、つぶやいた。「なんかすぐ『しんど』って言ってしまう。僕だけですかね」と笑った。

ただ、「しんど」とは言っても、「無理」や「だめだ」は口にしなかった。今夏は猛暑もあり、両足をはじめとした肉体は悲鳴を上げていた。チームもクライマックスシリーズを争う好調ぶりで、注目度と相手バッテリーの警戒度も上がり、3番打者としての責任感も強くなっていた。心身ともに疲弊し、マッサージ中に寝ることが珍しくなくなった。「毎日野球をするのは大変だと思います。しんどいですよ。でも変なプレーはできないから。しんどくてもやらないと。どんな仕事でも一緒でしょ?」。

自分のプレーを楽しみにしてくれる人がいる。だからこそ試合に出続ける道を選んできた。「しんど」は山田哲人のガス抜きであり、自らを奮い立たせる魔法の言葉でもあった。【ヤクルト担当 浜本卓也】

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