プロ野球番記者コラム

菊池雄星に届いた野球部キャプテンの「衝撃的」手紙

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西武菊池雄星投手(27)はショックを受けた。3年前のオフ。岩手・盛岡に帰り、母校の小学校で講演した時のことだ。野球チームのキャプテンから手紙を渡された。帰りの新幹線で読んだら、思いもしないことが書かれていた。

子どもたちと「ならびっこ野球」を楽しむ西武菊池(撮影・古川真弥)
子どもたちと「ならびっこ野球」を楽しむ西武菊池(撮影・古川真弥)

「友だちを誘っても野球をしてくれません。雄星さんから誘ってくれませんか? チームは12人しかいません。このままだと来年は野球ができなくなります」

「衝撃的でしたね」。野球人口が減っているとは聞いていたが、ここまでとは。「少子化のスピードの8倍だと。その中でも、北東北が一番、減っているそうです」。危機感を覚えた。

日本中学校体育連盟によると軟式野球部の生徒数(男子)は01年は全国で計32万1629人だった。それが18年は計16万6800人。17年間で半分近く減った。サッカーの約2万5000人減(22万1806人→19万6343人)と比べても、いかに野球人口が減っているかが分かる。後輩の訴えは切実だった。

「トークショーをやってる場合じゃないんじゃないか。野球教室もやるけど、もっと幼稚園児とか、野球を始める前の子たちに何かしないとまずいんじゃないか」。それからだ。講演では必ず「野球をやろう」と呼び掛けるようにした。9日は、盛岡で恒例の「東北野球フォーラム」。野球に触れるきっかけになればと、昨年から「ならびっこ野球」を始めた。攻撃側はスタンドに置いたボールを打つ。守備側は捕球した人の周りに全員が集まり、手をつなぐ。それより早く、打者走者が15メートルほど先のコーンまで往復できたら1点。未経験の女の子や園児も加わり、大盛り上がりだった。

菊池は力説する。「球場だけだと、お客さんは増えている。でも、現場は違った。自分の目で見ないと」。今は、メジャーを目指す身。「僕が結果を出すことで、岩手の子どもたちにも世界で活躍できると思ってもらいたい」。菊池自身、中学の時に駒大苫小牧の甲子園優勝を見て「北国でもやれる」と、花巻東へ進んだ。背中を、東北の子どもたちに見せる使命がある。【古川真弥】

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