<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク2-2DeNA>◇16日◇ヤフオクドーム

「父の日」にソフトバンクは貴重な「抑え」を失った。サファテの離脱からストッパーとして奮投してきた森がチームを離れた。「抑え不在」は今後の戦いをさらに厳しくする。残り6試合の交流戦、そしてリーグ戦再開。勝負の夏を控え、ブルペン再編に頭を悩ますこととなってしまった。

確かに森不在は痛すぎる。だが、嘆いてばかりもいられない。試合前、工藤監督は今後の抑え候補については明言せず「誰と言うことではなく、みんなでカバーしていこうという話はしています。相性の良さ、悪さ、打順であったり、そういうところを見ながらになると思う」と話した。確かに即答できる問題ではなかろう。順当に考えればモイネロあたりが一番の候補になるのだろう。

ピンチはチャンスでもある。新人の甲斐野を抜てきするのも一考ではないだろうか。将来的なストッパー候補としてドラフト指名したわけだから、そのチャンスが巡ってきたととらえたい。もちろん、今シーズンの戦いを考えれば森の早期復帰も期待を寄せるが、若きルーキー右腕の奮起に期待したい。開幕から13試合連続無失点。華々しいデビューを飾った。5月に入って調子を落としたものの、ここ7試合は無失点と好投している。甲斐野本人も貪欲にその座を狙ってもらいたい。プロ野球は「弱肉強食」の世界。先輩に遠慮する必要はない。

その貪欲さが、窮地のチームを再活性させることにつながると思う。【ソフトバンク担当 佐竹英治】