一般的にセ・パ両リーグの投手を比較すると、セ・リーグでは変化球を多く投げる投手が多く、パ・リーグでは直球勝負を好む投手が多いと言われている。もちろん投手によって変わることだが、受ける捕手によって配球が変わる。そのため、打者からしても捕手が変わることで、同じ投手でも見方が変わってくることもあるようだ。

「最初よりは慣れました。顔と名前が一致しない人がまだ多いです」と話すのは、6月末に中日からトレードでオリックスに移籍したプロ10年目の松井雅人捕手(31)だ。移籍後4試合に出場し、6日ソフトバンク戦(ほっともっと神戸)でK-鈴木、8日楽天戦(楽天生命パーク)では山岡と先発コンビを組んだ。「K-鈴木と山岡は大体イメージはできましたけど、中継ぎはちょっと難しいですよね。まだわからない部分はあります」とここまでを振り返った。

両リーグの投手の違いを尋ねると、「パ・リーグは単純にやっぱり球の力がありますよね。スピードだけではなくて、パワーカーブがあったり。打者も結構振ってくる印象がある。ボール球でも振ってくるとか。両リーグとも変化球は多いですけど、細かく言えばセ・リーグの方が多いですかね」と説明した。

山岡とコンビを組んだ8日楽天戦では直球主体の組み立てで、コースや高低を使い分けるなど、7回1安打無失点と右腕を好リード。勝利に大きく貢献した。今後について松井雅は「時間はかかるかもしれないですけど、投手陣とコミュニケーションをしっかりとっていきたい」と意気込んだ。ここまで主にスタメンマスクをかぶってきた若月にとっても大きな刺激となっているに違いない。経験豊富な捕手の加入がチームにもたらす相乗効果に期待大だ。【古財稜明】