ソフトバンクがキャンプを張る宮崎・生目の杜のブルペンで黙々と投げ込む左腕がいた。3年目の古谷優人投手(20)だ。キャンプが休みだった9日、ただ1人、休日返上で汗を流していた。

古谷は1年目の17年オフに発症した胸郭出口症候群による左腕血行障害を克服し、18年春に復帰。今季は3軍交流戦の四国ILplus香川戦で国内左腕最速となる160キロをマークしたことでも話題を呼んだ。今オフはキャンプ後に台湾ウインター・リーグにも参戦予定で「汚い球でもいい。シュートしたり、曲がったりしてもいいので、強い球をゾーンに投げ込めるように」とレベルアップに取り組んでいる。

思い描く目標がある。「自分の中で目標として、イメージしているのはモイネロです」。球威と緩急で打者を圧倒する助っ人左腕の姿を追いかける。「モイネロは速いまっすぐとカーブ。ぼくの場合はスライダーですね。最終的には、そこで勝負できる投手になりたい」という。

古谷にとって4年目の来季は「勝負の年」と自負している。「来年は大学に進んでいれば4年目。次の年には(その世代が)プロに入ってくる。それまでに、なんとか結果を残したい」。今季1軍に定着した先輩が大きな刺激になった。「純平さんの存在は大きい。悔しい思いが強いです」。つい昨年まで筑後で競い合っていた1学年上の高橋純がブレーク。「負けていられません」。20年を飛躍の年にするつもりだ。【ソフトバンク担当=山本大地】