「神奈川だったから引き受けた。それ以外だったらやらないです」。今季からBCリーグに参入する「神奈川フューチャードリームス」の鈴木尚典監督(47)は第2の地元への恩返しを誓う。

静岡県出身だが、横浜高へ越境入学。90年ドラフト4位で大洋に入団し、18年間横浜一筋でプレー。2年連続で首位打者を獲得したバットマンに成長した。「人生の半分以上は神奈川にいて愛着がある。その場所に球団ができることになって、やってみたいなと思っていた」。新球団の初代監督を引き受けた。

GMに山下大輔氏(67)、アドバイザーに荒波翔氏(34)とベイスターズ出身者が首脳陣を占める。草野球から転身し、トライアウトで150キロをたたき出した杉浦健二郎投手(21)も在籍し、注目度は高い。鈴木監督は「高校時代から感じていたけど、神奈川は野球好きが多い県。『ベイスターズがビジターで試合をしているときは独立を見てみようかな』と言う人がたくさん出てきてほしい」。NPBに負けないぐらい地元に根ざした球団を作っていく。まずは練習拠点の藤沢市から浸透させていく。「勝った負けただけじゃなく、ファンサービスや地元のつながりも大事。奥深いです」。商店街に球団のポスターを貼ってもらい、監督自ら地道に宣伝活動を続ける。

BCリーグの開幕は4月11日。1年目から勝利にこだわる。「いきなり優勝したら面白い。ベイスターズの2軍にも絶対勝ちたい」。新球団が新たな風を神奈川に吹き込む。【湯本勝大】