待望のアニメ映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の公開日が9月18日に決まった。プロ野球は観客数も増え、シーズン折り返しを過ぎて盛り上がりを見せている頃だろうか。同作は京都アニメーション制作。ようやく開幕にこぎつけたプロ野球のように、昨年の火災事件や新型コロナウイルスの影響で当初予定の今年1月から2度の延期を経て、やっとの思いでここまできた。携わった方々の思いや苦労を思うと、それだけでこちらの感情もこみ上げてくる。

「ヴァイオレット-」は手紙を代筆する仕事を通じ、主人公のヴァイオレットが人の心に触れ成長していく物語だ。テレビ版の一場面で「人が話した言葉の中から、伝えたい本当の心をすくい取ることが仕事」という趣旨のせりふがあった。無観客開催で、取材形式にもさまざまな制限がある今だからこそ、我々記者という職業にも通ずるものがあるなと考えさせられた。

いまソフトバンクでは代表取材制を取っており、取材者と対象が密にならないよう人数、時間を絞った状態でインタビューを実施している。球団広報は「今年は特別なシーズンだから」とわれわれメディアのわがままな要求? にも応えようと尽力し、普段より大変な業務をこなしながら貴重な取材の場をセッティングしてくれているのだ。

だからこそ代表者として取材に臨む時は、自分の後ろに他のテレビや新聞媒体があり、それぞれの媒体の読者、視聴者がいることを強く感じる。現場で戦う人たちの声を聞き、届けられるのはいま、われわれしかいない。監督や選手の本当の心をすくい上げられるように。ヴァイオレットのように心を研ぎ澄ませて業務に当たりたい。【ソフトバンク担当=山本大地】