ロッテ佐々木朗希投手(20)の偉業は、多くの投手に影響を与えたことだろう。

10日のオリックス戦でプロ野球16人目、史上最年少で完全試合を達成。「あいつやっぱりエグいなと思いました。あれだけ真っすぐが速いので、バッターもあんまりボールが見えてないという感じ。ポテンシャルがすごい」。阪神西純矢投手(20)は同学年の快挙を、興奮気味に振り返った。

プロ入り前にヤクルト奥川、阪神及川とともに「高校四天王」と称された佐々木朗と西純。高校日本代表のチームメートでかねて親交がある。西純は普段から「ちょこちょこ連絡は取ってます」と言い、完全試合の時は「やっぱりエグいな。ピッチング教えてくれよ」とLINEを送った。だが、返事はまさかの「知りません」。お茶を濁された。

令和の怪物から助言はもらえなかったが、ピッチング内容に1つのヒントを得た。「あれだけの球があるからというのもあるんですけど」と前置きした上で「ストライク先行でめちゃくちゃいくじゃないですか。僕はボール先行になることが多かった。もっとゾーンに投げていってもいいんじゃないかな」という考えに至った。

22日ウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に先発した西純は、9回1失点、106球のプロ初の完投を遂げた。「テンポよく投げられたし、守備にも助けてもらいながら球数も抑えられた。長いイニングを投げるためにはやっぱりゾーンに投げていかないと。ボール球はもったいない」。新たな投球スタイルを確立しつつある。

佐々木朗に負けず劣らずのポテンシャルを秘める虎の背番号15。同世代の活躍に感化された高卒3年目の今季、1軍の舞台で暴れ回る予感だ。【阪神担当 古財稜明】